ヘルスケア

2026.05.19 09:30

世界は次のパンデミックへの備えができていない、WHOが警告

Omar Havana/Getty Images

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世界保健機関(WHO)が発表した新たな報告書によると、世界の保健研究、予防、そしてパンデミックへの備えは、感染症の流行頻度の高まりや激化に追いついていない。専門家らは、新型コロナウイルスの流行時と比べても世界各国が感染症の流行に備え切れていない可能性を指摘している。

WHOと世界銀行が共同で設立した世界健康危機モニタリング委員会(GPMB)は、18日に公開した報告書の中で、次のパンデミックにおける「現実的かつ切迫したリスク」は、「10年前よりもさらに分断され、債務を抱え、自国民を守る能力が低下した世界を襲うこと」だと述べている。

報告書は、もし新たなパンデミックが近い将来に発生した場合、世界各国はこれまでよりもはるかに多くの知識、技術、資源を備えているにもかかわらず、過去のパンデミックを上回る、より深刻な健康上、社会上、経済上の損害を被る恐れがあると警告している。

加えて、感染症の発生頻度が高まり、致死率も上昇していることも明らかになった。感染症による経済的な損害は拡大し、その影響を受けた社会は「より貧しく、より不平等で、より分断された」状態に追い込まれている。

同委員会は、コストの上昇、公的資金の減少、不平等の拡大、そして、国家と市民の間、さらには国家間の信頼の低下を指摘する。なかでも「信頼と公平性の深刻な毀損」が最大の懸念として挙げられた。「これまでより多くの知識、技術、資源があるにもかかわらず、パンデミックリスクは間違った方向へと進んでいる」

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翻訳=江津拓哉

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