リーダーシップ

2026.05.18 23:27

5人から2000人へ:組織拡大で私が学んだリーダーシップの転換点

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Daria Leshchenko氏は、グローバルなIntelligent Support-as-a-Service企業であるSupportYourAppのCEO兼マネージングパートナー。

社員がわずか5〜10人だった頃が懐かしい。キッチンに集まってコーヒーを飲みながら話をしていた時代だ。全員が互いを個人的に知っており、チームは緊密に結束していた。あれは15年前、グローバル展開を夢見ていた頃のことだ。

いま、私たちが築いてきたエコシステムには70カ国以上に2000人を超えるメンバーが集い、顧客は1社から180社へと増えた。小さなチームとして生き延びるためのインフォーマルなやり方は、成長とともにいずれ足かせになった。だから私たちは進化する必要があった。

リーダーとしての私は、ダッシュとハイフンの違いに情熱を燃やすマイクロマネジャーから、日々の些細な問題よりも戦略を重視するCEOへと変わった。

会社をスケールさせるには、リーダーシップに対する考え方そのものをスケールさせなければならない。コミュニケーションは直感的なものから意図的なものへ、組織構造は偶発的なものから戦略的なものへと移行する必要がある。個人の根性に頼るやり方は、予測可能なプロセスに道を譲らなければならない。

2015年以降、私たちは安定した年間売上成長を享受している。拡大する中でも、私たちの選択が正しかったことの証左だ。ここでは、組織拡大期にリーダーとして何を変えなければならないのか、私の考えを紹介する。

コミュニケーションのスケール:自明の真実から意図的な明確さへ

社員が100人に達した頃のことだ。休憩室で、新しく入った同僚が何気なく私にこう尋ねた。「ここではどんなプロジェクトを担当しているんですか?」。彼女は私がCEOだと知らなかった。私は笑ったが、同時に、もはや私たちは緊密な小集団ではないのだと気づいた。

それまでも、社内コミュニケーションのチームや戦略をつくる会社があるのは見てきたが、私は取り合わなかった。そんな情報は当然、みんなにとって明らかだろう、と思っていたのだ。

私には俯瞰的な視点があったが、全員がそれぞれ異なるバージョンの会社を見ていることに気づけていなかった。無断欠勤や報告不足といった小さな綻びが、混乱を生み始めていた。すべてが理解されていると前提するのはもはやできなくなり、「何を告知し、何を説明し、何を繰り返すか」を選び取ることに注力するようになった。

大量のコミュニケーションが次第に大きな感情的負荷を帯びていったため、私はフィルターとして「スヌーズ戦略」を使い始めた。重大でリスクの高いメッセージについては、ある日に下書きを作り、送信ボタンを押すのは翌日にすることを勧めたい。この手法は、衝動的な反応を、グローバルチームを効果的に率いるために必要な中立で合理的な明確さへと置き換える助けになる。

明確なコミュニケーションは意図的でなければならない。常識はスケールしないからだ。仕組みがなければ、1000人がそれぞれ1000通りの「真実」に向けて懸命に働くことになる。

組織構造のスケール:慣れ親しんだ習慣から戦略的優位性へ

2010年、私は1人会社だった。機能していないチームと袂を分かった後、オフィスのマットレスで夜を過ごしながら、すべての依頼を1人でさばいていた。いまでは、グローバルに13の部門がある。

それらは概ね有機的に成長した。チームがキャパシティに近づくと、私たちは再編した。しかし、最大級の成長局面のいくつかは、受動的ではなく戦略的にチームを拡大したときに訪れた。

例えば2017年頃、カナダへのビジネスミッションで、はるかに規模の大きい企業の創業者たちと話した。彼らは全員、デリバリーディレクターを置いていた。当時、社員500人規模の私は、既存顧客のための専任チームなど過剰だと思っていたが、その会話が見方を変えた。その旅で新規顧客は獲得できなかったものの、顧客を「成約済みの案件」として扱うのをやめる必要があると悟った。デリバリーチームを設置したことで、顧客離脱率を下げ、結果として平均的な顧客の継続期間を実質的に2倍にできた。

これは、より戦略的に構造を築いた例の1つにすぎないが、インパクトは大きかった。根底にある新たな原則は、増え続けるニーズに反応するだけではなく、成長を計画するということだ。それを達成するために、タイムラインやロードマップといったツールを使い始め、明確な目標を設定し、効率性を優先し、チームと顧客基盤を多様化させてほしい。

小さなチームに火花を与えていた流動的な構造は、やがて大きな組織を縛る「天井」になり得る。明確な階層を受け入れることは、精神を失うことではない。スケールするために必要な土台を築くことなのだ。

業務プロセスのスケール:個別の指示から体系的な哲学へ

プロセスが重要だとは分かっていたが、ある本に考えを改めさせられるまでは、真剣に受け止めていなかった。同僚がダン・S・ケネディ著『No B.S. Ruthless Management of People and Profits』を贈ってくれたのだ。私は当初、それを一蹴した。表紙が攻撃的に見え、本棚の奥深くにしまい込んだ。

2019年に社内のブッククラブを始めるまで、その本はそこに眠っていた。読んでみて、その情報量の多さに驚いた。

核心の教訓はシンプルだった。人は辞めるが、プロセスは残る。代替不能な1人に依存するのは、極めて大きなリスクだと学んだ。代わりに、あらゆるマネジャーに後継者モデルを導入し、キーマンとなるトップマネジャーの代役を務められる副マネジャーを段階的に育成すればよい。私たちがそうしたように、後継者として副CEOを採用することも勧めたい。そうすることで、オペレーションのタスクから、より戦略的な仕事へと焦点を移しやすくなる。

並行する(そしてより複雑な)プロセスとして、「採用は慎重に、解雇は迅速に」という文化を取り入れることを勧める。私たちが採用を急ぎすぎた最も悔やまれる例の1つが、フィリピンでのリモート拡大だった。その結果、オフィスは2カ月で閉鎖することになった。そうした経験に学び、私たちはより徹底した採用プロセスを導入し、説明責任の徹底にも一貫性を持たせるようになった。

実際のところ、本物のプロセスを構築しても、通常はチームのスピードが落ちるわけではない。誰かが突然辞めてもすべてが崩壊するのではないかという恐れなく、成長できる自由を与えるのだ。

変革の局面をくぐり抜けるたびに、まるで(また)まったく新しい事業を運営しているように感じるだろう。だが私は、小さな会社の火花は、適切な土台を与えたときにだけ、成長の嵐を生き残れるのだと学んだ。私たちは人として、居心地のよい旧来のやり方に郷愁を覚えがちだ。しかし、組織をスケールさせるリーダーとしては、直感の快適さを、意図の力と引き換えにしなければならない。

forbes.com 原文

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