パランティア・テクノロジーズのデプロイメント・ストラテジストであるダニー・ルーカスは、「SaaSは死んだ」と語った。われわれが話していたのは、サプライチェーン・マネジメント向けソフトウェアの提供におけるパランティアのアプローチについてである。
筆者は以前、UBSグローバル・コンシューマー&リテール・カンファレンスでアドバンス・オート・パーツのCEOの講演を見た。同社が在庫補充と価格設定のソリューションでパランティアと取り組んでいると述べており、意外だった。パランティアがSCM領域で活動しているとは知らなかったからだ。というのも、パランティアは既製品(オフ・ザ・シェルフ)のソフトウェアを提供していない。筆者が長年にわたり密に追ってきたのは、そうした既製品を提供するサプライチェーン・ソフトウェア企業だった。
パランティア(PLTR)は、データ分析とAIのソフトウェア企業であり、米軍向けのソリューション提供で最もよく知られている。驚いたのは、昨年の売上の46%が政府ではなく商業顧客からのものだったことだ。ルーカスは、民間向けビジネスにおける最大のターゲット(業種)は製造業であり、製造業の顧客は実質的にすべて、サプライチェーンで同社のソリューションを利用していると語った。
パランティアの急成長により、同社は米国で最も価値のある企業トップ20の一角となった。現在の時価総額は3200億ドル(約50兆8000億円)である。
パランティアのアプローチ
「パランティアが行っていることは、少し特殊だ」とルーカスは言う。数十年前には企業が自前でソフトウェアを開発していたが、それはリスクが高く、失敗率も高かったうえ、総所有コストも大きかったと説明した。
その結果、エンタープライズ、そしてやがてサプライチェーン・ソフトウェアの開発企業が台頭した。ERPとサプライチェーンの領域ではSAPやオラクル、さらにブルーヨンダーやマンハッタン・アソシエイツのような特定分野に特化した(ベスト・オブ・ブリードの)サプライチェーンソフトウェア企業がこれに該当する。
当初、これらの企業はソフトウェアライセンスモデルで販売し、その後ソフトウェア・アズ・ア・サービスへと移行した。これらの企業は標準化されたソリューションを提供し、幅広い顧客に販売する。
「パランティアはまったく異なるアプローチをとる」とルーカスは説明する。第一に、標準ソリューションが企業の望む事業運営に実際に合致しているかについて懐疑的だという。多くの企業は最終的にExcelやその他のオフラインのワークフローを使うことになり、それは標準ソリューションが多くの場合うまく機能していないことを暗に認めている。ERPやSCMのソリューションは、あまりに「硬直的」なのだ。「人が手作業でデータ統合を行い、独自のロジックを作っている。その結果として多くの悪いことが起きる」



