AI

2026.05.18 09:30

パランティア「SaaSは死んだ」と語る AI時代の新たなソフトウェア戦略

パランティア・テクノロジーズのアレックス・カープCEO(Kevin Dietsch/Getty Images)

パランティアが主張する第二の点は、標準テンプレートで事業を回すと、自社の能力が競合と差別化されないということだ。「戦略的な差別化」を「明け渡している」ことになる。また、事業をよりよく運営するための機能開発をソフトウェアパートナーに依頼するたびに、その同じ能力を競合にも与えることになる。

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パランティアは「フォワード・デプロイド・エンジニア」を用いて、顧客ごとに特化したソリューションを提供する。これらのエンジニアは、標準ソフトウェアで埋めきれないギャップを補うために、顧客が開発したい能力やプロセスを見極める。本質的に、パランティアのソリューションはSAPやオラクルといったソリューションの上に構築される。

パランティアのプラットフォームは、こうした新たな企業固有の能力を構築するために使われる。このツールキット型のアプローチはカスタムソフトウェアを作り出す。初期はパランティアのエンジニアが担うが、顧客側も同じツールキットをこの目的に利用できる。これらの能力は、既存ソフトウェアシステムのアップグレードやレガシーソフトウェアの置き換えを行わずに開発できる。そうした置き換えは数年を要し得るプロセスだ。

パランティアには「抽象化レイヤー」があるとルーカスは続けた。「それは、基盤となるインフラやアーキテクチャが何であれ、その上に実質的に乗ることを可能にするオペレーティングシステムであり、構造化・非構造化の双方のデータ統合、確定的なルールと確率的なAI予測モデルの双方の統合を定義できる」。このプラットフォームはまた、どのユーザーがどの意思決定を行えるか、そしてユーザーが生成したデータを基盤システムへどのように書き戻すかも定義する。

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この抽象化レイヤーは、パランティアのOntologyに基づいている。「Palantir Ontologyは、パランティアのウェブサイトによれば、組織のためのオペレーショナルレイヤーである」。Ontologyは、幅広いアプリケーション、データセット、仮想テーブル、モデルと統合するだけでなく、大規模企業を運営するために必要な現実世界のオブジェクトやロジックとも統合する。これは工場、設備、製品といった物理資産から、顧客注文や金融取引といった概念にまで及ぶ。「多くの環境で、Ontologyは組織のデジタルツインとして機能し、あらゆる種類のユースケースを実現するために必要なセマンティック要素(オブジェクト、プロパティ、リンク)と、キネティック要素(アクション、関数、動的セキュリティ)の双方を含む」。このOntologyレイヤーは、このソリューションにおける最大の差別化要素かもしれない。

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