アジア

2026.05.18 10:00

中国側から見たトランプ訪中 公式発表・晩餐会・SNSに溢れたミームが語る実態

中国・北京にある世界遺産「天壇」を訪れたドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席。2026年5月14日撮影(Brendan Smialowski - Pool/Getty Images)

1兆ドル規模の代表団

トランプは、個人純資産が総額1兆ドル(約158兆円)近くに達する代表団を率いてきた。冒頭で名前を挙げたクック、マスク、フアン、シュワルツマンに加え、資産運用大手ブラックロックのラリー・フィンクCEO、金融大手シティグループのジェーン・フレイザーCEO、金融大手ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOら十数人の企業トップたちだ。

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首脳会談と並行し、ビジネス関連の公式行事として14日午後に李首相が米企業の代表らと会談。アップル、エヌビディア、メタ、カーギル、テスラ、ボーイング、シティグループ、ゴールドマン・サックス、GEエアロスペース、クアルコム、ビザ、マイクロン、マスターカード、ブラックロック、ブラックストーン、コヒレント、イルミナ、ニューヨーク証券取引所──中国外務省は公式発表で、すべての企業名を並べ上げた。

李首相は、産業間対話の当事者の一方としてではなく、政府トップとして会談を主催し、米企業CEOたちと対話した。その場には、中国のテック大手や業界トップ企業の幹部ら、たとえばインターネット大手テンセント(騰訊)の馬化騰(ポニー・マー)CEOや、車載電池大手CATL(寧徳時代)創業者の曽毓群(ロビン・ゼン)会長、電気自動車大手BYD(比亜迪)の王伝福CEOといった顔ぶれの同席はなかった。

この非対称性は意図的なものだった。プラットフォーム企業の創業者世代が当局の規制キャンペーンによって再編を余儀なくされた後、中国政府の戦略はいまや、官僚が主導し、民間企業のトップは脇役にとどめておく方針となっている。米企業幹部に向けて発信されたメッセージは、こうだ。中国市場においては、産業政策と市場アクセス権は共産党が国家の安全保障と発展目標に沿って決定するものであり、ロビー活動に左右されるものではない。

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中国企業の経営陣も米代表団の前に姿を見せたが、それは14日夜の国賓晩餐会において、慎重に選ばれた脇役としての登場だった。テック大手シャオミ(小米)の雷軍会長、パソコン大手レノボの楊元慶CEO、TikTok親会社のIT大手バイトダンス(字節跳動)の梁汝波CEOらが出席した。

晩餐会のハイライトとして中国SNSの微博(ウェイボー)で動画が延々と拡散されたのは、雷軍が着席中のマスクに近づき、肩を軽く叩いて半身をかがめ、自社のフラッグシップスマートフォン「Xiaomi 17 Pro」でツーショットの自撮りをした瞬間だ。マスクはカメラに向かってウインクして撮影に応じた。中国の評論家らはこの一幕を、中国自動車業界で最も勢いのあるテスラのライバル企業が、気さくなホストの振る舞いで特別扱いを要求し、マスクが著名な外国の賓客の役割に甘んじたと解説した。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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