キャリア

2026.05.17 23:42

Z世代がAIに懐疑的になっている本当の理由

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AIが職場により深く組み込まれるにつれ、Z世代はAIへの自信を高めているのではなく、むしろ懐疑的になっている。

AIツールが広く統合される一方で、Z世代のAIに対する感情はより否定的になっている。それは理由のないことではない。雇用がAIに代替されること、初級職の機会が減ること、さらには長期的な認知への影響といった懸念が、彼らの懐疑心を形づくっている。ただし明確な分断がある。AIを積極的に使う人ほど好奇心や楽観を抱きやすいのに対し、非利用者は不安が強く、より不信感を持ちやすい。注目すべきは、利用者の間でさえ、熱量が年々弱まっているように見える点だ。

ここから重要な問いが浮かび上がる。AIが駆動する世界において、Z世代は傍観者のままでいられるのだろうか。

Z世代の感情は変化している

ウォルトン・ファミリー財団、GSV Ventures、ギャラップによる最新の調査(Z世代から1500件超の回答を収集)は、AIをめぐる感情が入り混じっていることを示している。

回答者のほぼ半数(49%)がAIに対して「好奇心」を抱いていると答えたが、その直後に「不安」(42%)と「怒り」(31%)が続く。「興奮」(22%)や「希望」(18%)を挙げた人はより少なかった。

前年と比べると、感情はより否定的な方向へとシフトしている。「興奮」は14ポイント低下し、「希望」は9ポイント低下した一方、「怒り」は9ポイント増加した。

利用頻度は、こうした見方を形づくるうえで明確な役割を果たしている。AIを日常的に使う人ほど、好奇心、興奮、希望といった前向きな感情を報告する。AIを一度も使ったことがない人は、不安や怒りをより感じていると報告した。しかし、頻繁な利用者の間でさえ熱意は低下している。2025年以降、「興奮」は18ポイント低下し、「希望」は11ポイント低下した。

回避は戦略にならない

AIを避けることは、こうした見方の変化に対する解決策にはならない。

AIは今後も仕事の世界を形づくり続ける。距離を置いたところで、それを止めることはできない。むしろ、変化する雇用市場や雇い手の期待を乗り切る準備が不十分になりかねない。

Z世代にとって、AIによって形づくられる労働環境に備えることは、ツールを使うかどうかだけの問題ではない。いかに効果的に使うかが問われる。

その出発点は実践的な運用リテラシーである。モデルがどのように構築されるかを理解する必要はないが、使いこなす方法、効果的なプロンプトの書き方、出力を反復して改善すること、要約・ブレインストーミング・編集といった作業をAIで支援すること、そしてこれらのツールが不得手な領域を見極めることは必要だ。

ただし、AIの利用は一部にすぎない。そこには意図も必要である。それを可能にする習慣は2つある。クリティカルシンキングと成長マインドセットだ。AIを効果的に使うには、出力に疑問を投げかけ、限界を認識し、何を信頼するかについて情報に基づいた判断を下す必要がある。

すべてのタスクを任せるべきではない。AIは支援にはなるが、仕事の背後にある思考を置き換えるべきではない。まず自分で下書きを作ること、AIの出力を批判的に評価すること、他者と協働することは、引き続き不可欠である。さらに、適応する意欲も求められる。新しいツールを学び、使い方を磨き、技術が進化する中でも開かれた姿勢を保つ必要がある。

AIの限界を理解することも同様に重要だ。これらのシステムは、不正確または誤解を招く情報を生み出しうる。こうしたギャップを認識することで、より強い判断力や創造性、あるいはAIが見落としうる微妙なニュアンスを解釈する力を通じて、自分自身の価値をより明確に定義できる。

備えはAIツールの利用にとどまらない。ネットワーキングを通じて関係性を築き、メンターを見つけ、キャリアの助言を求めることも引き続き不可欠である。AIは、人とのつながりの価値や、そこから生まれ得る機会を置き換えられない。こうした領域を強化することは、AI主導の変化を乗り切る助けになるだけでなく、消えることのないキャリア形成の側面に備えることにもつながる。

仕事と社会をめぐる懸念の高まり

この感情の変化は、AIが社会や労働力に与える影響に対するより広範な懸念と関連しているようだ。

Z世代は、AIが実際にどれほど役に立つのかについて意見が割れたままである。前年のウォルトン・ファミリー財団とギャラップの調査と比べ、情報検索やアイデア創出のようなタスクをAIが有意に改善すると考える人は減った。効率改善に対するAIの能力への信頼も低下し、職場での役割に対する見通しもより否定的になっている。仕事において、AIのリスクが便益を上回ると考えるZ世代の回答者が増えている。

労働市場における最近の動きは、こうした懐疑心の一部を説明する。2026年初頭、複数のテック企業が、AI投資を要因の一つとして挙げながら人員を削減し、より少ない従業員でより多くをこなすことを目指した。同時に、長期的なキャリア成長への通路として伝統的に機能してきたポジションへのアクセスを狭める形で、初級職が減少している。

AIがもたらす長期的な経済的影響は不確実なままだが、これらの変化は大きな混乱を示唆し、次に何が起きるのかへの世間の関心が高まっている。Renaissance Philanthropyの労働自動化予測ハブのような取り組みは、AIが労働力をいかに再編しうるかをより深く理解しようとする、より広範な動きを反映している。

同時に、AIは雇用市場を変えているだけではない。仕事の進め方そのものを変えている。

あるテック企業における生成AIの利用を検証した、UCバークレーによる8カ月間の研究では、従業員はより速く仕事を進められるようになった一方で、仕事はより過密になったことが見いだされた。労働者はより多くのタスクを引き受け、別の業務に取り組みながら、隙間を埋めたり特定の作業を処理したりするためにAIに頼ることが多かった。さらに、仕事時間と非仕事時間の境界が曖昧になり、休憩に充てられるはずの時間にもAIとのやり取りを続けるようになったことも示された。

これは生産性の向上につながり得る一方で、疲労、ストレス、燃え尽きのリスクも持ち込む

AIツールへの依存が認知プロセスに与える影響についての懸念もある。より多くの作業が委ねられるほど、批判的に考えること、情報を深く処理すること、学ぶことが減りかねない。結果として、不正確な情報を精査なしに受け入れてしまう可能性などが高まる。

これは始まりにすぎない

AIに適応したからといって、Z世代が直面する課題が完全に解消されるとは限らない。

この変化を乗り切るには、より戦略的なキャリアの意思決定、適応する意欲、そして時間をかけた継続的な学習が必要になるかもしれない。また、組織が、変化する環境の中で初期キャリアの労働者が経験を積める機会を創出するかどうかにも左右されるだろう。

しかし1つだけ明らかなことがある。AIはなくならない。

Z世代は、AIを活用するために必ずしもAIを全面的に信頼する必要はない。しかし、理解しないという選択は、避けようとしているリスク以上に、自らを制約することになり得る。

forbes.com 原文

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