アリストテレスが指摘したように、「自然は真空を嫌う」ものだ。空間は決して空のままではなく、必ず何かが流れ込んで埋め尽くすとアリストテレスは考えていた。現代ではこの知恵はリモートワークにも当てはまる。散らかりはすぐに空間を埋め尽くす。家とは単なる住まいではなく、考え、働き、回復し、再充電する場所だ。散らかった作業空間は静かにストレスを増大させ、集中力を奪い、1日の終わりに仕事モードから切り替えることを難しくする。
一方で、落ち着きがあり整理整頓された空間はメンタルヘルスや生産性、心の安らぎ、そしてワークライフバランスを支えてくれる。
ホームオフィスを整え、ウェルビーイングを高めるためのヒント
リモートワークは従業員の幸福度を20%高めることが研究で示されている。これは、働く環境が仕事へのエンゲージメントやパフォーマンスに大きな影響を与えるからだ。数字塗り絵キットを展開するDavincified(ダビンチファイド)のアートセラピストでクリエイティブ・ウェルネスの専門家であるエレニ・ニコラウ博士によると、その違いを実感するために働く環境を全面的に刷新する必要はないという。
生活空間にちょっとした変化を加えるだけで気分は明るくなる。生活が忙しくなり、物が散らかり始めると、メンタルヘルスへの影響は驚くほど大きくなることがある。ニコラウは自宅の働く空間をリセットするための、セラピストが推奨する10の簡単な方法を紹介。それぞれがどのようにウェルビーイングを支えるかについて解説している。
1. 小さなスペースを1つ片づける
家全体ではなく1カ所選ぶ。ベッドサイドテーブルや机、キッチンカウンターなどでいい。小さなスペースでも片づけることで視覚的な「雑音」が減り、脳にゆとりが生まれる。
「散らかった環境に身を置いていると、たとえ自覚していなくても脳は常にそれを処理し続けている」とニコラウは言う。「たった1カ所片づけるだけでも、すぐさま秩序と安らぎの感覚を生み出せる」
2. 自然光を取り入れる
朝一番にカーテンを開けることは気分を向上させる最も簡単な方法の1つだ。UCLA Healthによると、自然光は体内時計を整え、セロトニンの分泌を促し、脳に「活動的で前向きになる時間だ」と知らせる。これにより気分が上向きになり、幸福感が高まる。
「光は、私たちにとって最も強力な環境的シグナルの1つだ」とニコラウは説明する。「朝の習慣にすることで、その日全体の雰囲気を本当に変えることができる」



