ヘルスケア

2026.05.18 18:00

1日10分の部屋の片づけで「メンタルを改善」、散らかりが睡眠・集中力を奪う科学的理由

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こうした感情が生まれるのは、無秩序な環境が常に注意を奪い合い、脳を過剰に刺激し、弱いながらも持続するストレス感を生むからかもしれない。「散らかりは、私たちを押しつぶす重い毛布のようになりがちだ」と語るのは、臨床心理士で米国心理学会(APA)フェローでもあるジョアン・ブローダーだ。

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実際、散らかりが集中を妨げ、情報を効率的に処理しにくくし、やる気の維持さえ難しくすることを示す研究は多い。先延ばしや感情的消耗を増やし、人間関係にも悪影響を及ぼし得るとブローダーは言う。

睡眠も損なわれ得る。散らかりは脳を微妙に過剰刺激し、夜に十分リラックスすることを難しくするからだ。「リラックスできなければ、眠れない」とダティロは言う。

研究が示すように、食習慣にも影響がおよぶ可能性がある。混乱した無秩序な環境にいる人は、整った環境にいる人より不健康な間食を選びやすいという。ダティロによれば、ストレスフル、あるいは秩序のない周囲の状況が、より手軽なものや感情的に安らぐ食べ物へと人を向かわせることが一因だという。

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さらに、すでに抑うつや不安に苦しんでいる人にとって、散らかりは症状であると同時に、それを強める循環にもなり得る。「私たちの動機は、報酬を予期する脳の部位から生まれるが、抑うつ状態では、その部位が事実上、機能停止する」とダティロは説明する。「その結果、無気力感が生まれ、片づけや掃除、断捨離といった難しい作業を始めるためのエネルギーを生み出すことが、さらに難しくなる」

整理整頓が幸福感を高める理由

朗報もある。断捨離や掃除を少し改善するだけでも、精神面・情緒面で意味のある恩恵が得られることがある。「整理整頓はまず、散らかりが私たちの認知資源や情緒資源に課してしまう、目に見えない『税』を取り除くことで役に立つ」とダティロは言う。

家がより落ち着き、機能的に感じられるようになると、人はしばしば、コントロール感、予測可能性、情緒の安定をより強く感じる。研究が、整った住環境を気分の改善、ストレス水準の低下、生活満足度の向上と繰り返し結びつけてきたのも、こうした理由の一部である。

家やガレージの散らかりを減らし、スペースを空けることで、在宅オフィス、トレーニングルーム、趣味の空間、ゲストルームといった、より機能的な生活エリアをつくる機会も生まれる。こうした変化は、より健全な習慣、生産性、リラクゼーション、さらには経済的安定さえ後押しし得る。「新たに空いた部屋を機能的な空間に変えた人は、フィットネスや生産性の目標をより継続しやすくなることが多い」とブラッドショーは言う。また、ガレージに車を屋内駐車できるだけの余裕を取り戻す人もいれば、地下室や空き部屋を賃貸用に整えて家賃収入を得る人もいる。

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