ヘルスケア

2026.05.18 18:00

1日10分の部屋の片づけで「メンタルを改善」、散らかりが睡眠・集中力を奪う科学的理由

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家の散らかりは、一夜にして起こることはほとんどない。多くの場合、カウンターに積まれた未開封の郵便物、詰め込まれたクローゼット、「仮置き」のつもりの収納コーナーがいつの間にか定位置になり、そうして少しずつ積み重なっていく。

だが研究の蓄積が示すところでは、モノであふれたキッチンカウンターや散らかった予備室は、家を「我が家らしくない」ものにするだけではない。ストレス水準、睡眠の質、生産性、さらにはメンタルヘルスにまで影響し得る。

「私たちの物理的な空間の状態は、心の状態を映し出すことがある」と語るのは、臨床・健康心理学者で、ハーバード大学医学部の講師でもあるナタリー・クリスティン・ダティロだ。「周囲を見渡して、空間が散らかり、雑然とし、汚れているのが目に入ると、心の内側も同じように整理がつかず、乱れているように感じ始めることがある」

実際、最近の研究では、家が散らかっていると認識している人ほど、幸福度や人生の満足度が低い一方で、ストレスやその他のネガティブ感情が高い傾向が示された。別の研究でも、整っていない居住環境が、不安の増大、集中力の低下、さらには不健康な食習慣と関連することが報告されている。

「散らかり」が始まりやすい場所

家の中には、他より早く散らかりの「磁石」になりやすい場所がある。短期的には「キッチンのカウンタートップが最も早く散らかりを集めがちだ」と説明するのは、生産性コンサルタントでTowne Storageの共同オーナーでもあるタラ・ブラッドショーだ。カウンターは、どこに置くべきかを決めるまでの間、モノを一時的に置く「降ろし場」になりやすいという。「しかもここは家の中心で、アクセスもしやすい。そのため持ち物がすぐに積み上がってしまう」と付け加える。

一方で、長期的により大きな問題になりやすいのは、閉じて見ないふりができる場所だ。クローゼット、ガレージ、予備の寝室、引き出し、食器棚などがそれに当たる。「こうした場所にあるものは、ふだん定期的に必要とされないことが多い。そのため『ひとまず』としまい込まれ、時間がたつにつれて、見直されることのないまま埋まっていく」とブラッドショーは警告する。

こうした「じわじわ増える散らかり」は驚くほど一般的だ。最近の調査では、回答者の半数超が、ほとんど使わない所有物を保管するために100〜500平方フィート(約9〜46平方メートル、およそ6〜30畳分)のスペースを犠牲にしていることがわかった。また別の31%は、ガレージが少なくとも半分は散らかりで埋まっていると答えている。

無秩序が心に与える負担

こうした散らかりがもたらす心理的影響や社会的な負担は、想像以上に大きい可能性がある。同じ調査では、回答者の74%が散らかった場所に直面するとストレスや不安を感じると報告し、32%は散らかりを懸念から自宅に客を招くのを避けていると答えた。さらに26%は、散らかりが人間関係に悪影響を与えたと述べている。

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