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2026.05.20 11:00

10分でアルバムが生まれる時代に、音楽生成AI「Suno」創設者が語る未来

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人工知能(AI)の時代が到来し、音楽制作は今後、以前とは全く異なるものになるだろう。

弦楽器やピアノ、木管楽器、金管楽器、打楽器などの音を何もない状態から生み出すことができると聞けば、これまで手作業で音楽を生み出してきた数多くの音楽家たちはきっと驚き呆れるだろう。インスピレーションに満ちた音の不朽の媒体である人間の声に至ってはなおさらだ。今まで音楽はずっと人間が手がけるものだった。

新しいツールは従来のものを完全に凌駕している。そのようなツールの1つが「Suno(スノ)」と呼ばれる音楽生成AIであり、率直に言って驚異的だ。

書いた歌詞を入力する。短調か長調か、そしてリズムや発声法などについて短いプロンプトを書き、「Create(作成)」を押すと、実在しない歌手の歌声とともに完成した曲が瞬時に生まれる。自分で歌詞を書かなくてもいい。曲のテーマをSunoに伝えるだけで、まるでバンド「ティン・パン・アレー」の情熱的な精霊が作り出したかのような完璧なリズムと韻律を持った歌詞が生成される。

あまりにも簡単すぎると感じる人もいるかもしれない。だがそれは21世紀に入ってからの25年に私たちが手にしていたものとは異なる仕組みで機能する、新たな世界という現実的なビジョンにインスピレーションを得たものだ。

Sunoの創設者の話

私は米マサチューセッツ工科大学(MIT)で4月に開催された年次カンファレンス「Imagination in Action」の運営に関わり、Sunoの創設者であるマイケル・シュルマンと話す機会があった。シュルマンはSunoが生まれた背景を話し、現在のAIツールの性能があまりにも高いために約1年前にコーディングをやめたことも明らかにした。

「これまでで最も楽しかった経験の1つは、友人たちと一緒に音楽を作ったことだ」とシュルマンは話し、Discord上で公開されたアプリの初期バージョンは音楽がいかに普遍的な人間の言語であるかという気づきから生まれたと説明した。

「世界中のすべての人が創造的だ」とシュルマンは話した。「すべての人が何かを作ること、そして創造的であることから喜びや充実感を得る。誰もが音楽を愛している」

シュルマンによると、Sunoは単に音楽を演奏するだけでなく、音楽で遊ぶためのものだという。また、共同創業者の地下にある部屋で行われた初期のジャムセッションも最終的に形になったこのモデルの原動力の1つだったと語った。

「最初はひどい出来だった」とシュルマンはSunoの初期の作品について振り返る。「それを音楽と呼ぶにはかなり寛容な耳が必要だった」

だが人々は喜んでSunoにお金を払い、一気に人気を博したともシュルマンは指摘した。

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翻訳=溝口慈子

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