ビットコインは今週、大幅な下落を記録した。暗号資産Zcashが1100%の価格上昇を見せ、初期投資家たちが「2013年のビットコインのようだ」と評する中、ビットコインは完全に置き去りにされた格好だ。
ビットコイン価格は、2025年10月に記録した史上最高値12万6000ドルから急落した後、5月にかけて8万ドルを超える水準まで一時回復していた。しかし、注目されていたこの水準を再び割り込んだ。
ストラテジー、SEC書類でビットコイン売却の可能性を表明
そうした中、マイケル・セイラーが率いるビットコイン取得企業ストラテジーが、630億ドル(約9.95兆円。1ドル=158円換算)相当の保有ビットコインのうち、一部を売却する可能性を認めた。
ストラテジーは、2020年にソフトウェア企業からビットコイン企業へと転換して以来、ビットコイン購入を加速させるために巨額の負債を売却し、株式を発行してきた。同社は規制当局への出書類提で、15億ドル(約2370億円)相当の負債を割引価格で買い戻す計画を明らかにし、その資金源候補の1つとしてビットコイン売却を挙げた。
「ストラテジーは、手元現金、ATM(アット・ザ・マーケット)オファリング・プログラムに基づく証券売却による収入、および/またはビットコイン売却による収入により、買い戻しの資金を調達する予定である」と、米証券取引委員会(SEC)への提出書類には記されている。
「買い戻しは、通常の取引完了条件を前提として、米国時間2026年5月19日頃に決済される見込みである」。
5月決算会議で配当目的の売却に言及
世界有数のビットコイン強気派の1人であるセイラーは、ビットコイン価格は永遠に上昇し続けると述べてきた。しかし5月初め、配当支払い義務を果たすためにストラテジー保有のビットコインの一部を売却する可能性に言及し、ビットコイン価格とストラテジー株価の急落懸念を引き起こした。
「市場に免疫を付け、我々が実際にやったというメッセージを送るために、配当を支払う目的でおそらくビットコインをいくらか売るだろう」。セイラーは5月の同社第1四半期決算説明会でそう述べた。同社の計画は「信用でビットコインを買い、値上がりさせて、ビットコインを売って配当を支払う」ことだと付け加えた。
ストラテジーの株価は、2025年夏のピークから60%下落している。同社が月間約11%の現金配当を謳う、物議を醸す「ストレッチ」株(高利回りの永久優先株)の売却を開始する中、ビットコイン価格とともに下落した。
「会社にとって有利なときにビットコインを売る」。同社CEOのフォン・レは5月の同じ決算説明会でこう語った。「ただ座って『ビットコインは絶対に売らない』と言うつもりはない。我々はビットコインの純増を目指す取得者でありたい。保有ビットコイン総量を増やすこと、そしてより重要なのは1株当たりのビットコインを増やすことだ。長期的にストラテジーにとって最も増分効果が大きいのはそれだと考えている」。
今週セイラーは、ストラテジーによるビットコイン売却が価格急落を引き起こすという懸念を一蹴し、この計画を「経済的観点からは取るに足らない話だ」と主張した。
「仮に今後1年間、配当のすべてをビットコイン売却のみで賄うとしても、売却する1ビットコインに対して20ビットコインを購入することになる」。セイラーはCoinDeskにそう語った。



