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2026.05.22 20:00

point 0の「イノベーション・コンサルティング」伴走型で育む共創

2024年に開設した、「terminal.0 HANEDA」。空港を主要テーマに置いた研究開発と実証実験を行うためのR&Dとコワーキングの拠点だ。(Photo:丹青社)

2024年に開設した、「terminal.0 HANEDA」。空港を主要テーマに置いた研究開発と実証実験を行うためのR&Dとコワーキングの拠点だ。(Photo:丹青社)

point 0は、オープン・イノベーションの加速を目的に2019年2月に誕生した。『あらゆる「カタチ」を変え、人生をもっと面白く』──この企業理念に賛同した14社(2025年4月時点)の企業が集まり、point 0 committeeを形成。実証実験を通じてさらなる協創/共創の輪を広げている。

Forbes JAPANは、point 0が発行するアニュアルレポートを2021年より制作している。レポートの中で、設立7年目を迎えたpoint0のボードメンバーにインタビューを実施した。事業拡大にギアを入れるなかで、各事業はどのような成果を上げ、どこへ向かおうとしているのか。以下で、その抜粋をお届けする。

>>point 0 annual report 2024-2025のダウンロードはこちらから


Innovation Consulting - 伴走型で育む共創

2022年にスタートした「point 0 Innovation Lounge」、実践を通じて得た知見をもとに、共創施設をつくる支援から、共創施設で共創を生み出す支援へと領域を拡げ、Innovation Consultingとして発展してきた。2024年2月末に開設した「terminal.0 HANEDA」が2年目を迎えたことは、事業全体にどのような影響をもたらしているのか。

Innovation Loungeの第1号案件「terminal.0 HANEDA」は、2025年で2年目を迎えた。未来の空港づくりにつながるアイデアを羽田空港内で実装できるという構想に、32社のコミッティ企業や団体、大学などが賛同。1年目は相互理解の促進と実証実験の推進を目指し、その仕組みづくりに注力してきた。

「2024年はpoint0が中心となってコミュニティ形成の支援を行っていたところから、2025年に入ってからはコミッティ企業が中心となり自主的にイベントを実施することも増えています。こうした活動の広がりが、結果として共創を生む土壌になっていく手応えを感じる一年でした」と、point0取締役副社長の菅波紀宏は振り返る。

point0 取締役副社長の菅波紀宏 (丹青社)。
point0 取締役副社長の菅波紀宏 (丹青社)。

実証実験を経て具体化したアイデアや施策を、どのように羽田空港に導入し、社会に実装していくかというフェーズへ移行。実装化へのギアが一段階上がったと菅波は実感している。月に1回、日本空港ビルデングとともにコミッティ企業が実証実験の進捗を報告する場を設けており、毎月一定数の発表が行われている。

「共創がどのように進んでいるのかをオープンに共有し合えています。実際にサービスを導入する側である空港関係者に聞いていただくことで、実装化に向けた現場のリアルな課題感をフィードバックいただけることもあり、参画メンバー全員にとって大きな刺激となっています」

実績評価で広がる共創支援

「terminal.0 HANEDA」館内には、空港施設を再現したモックアップや、カンファレンスなどが実施できるホールも。会議室や共用スペースには、感性を刺激するインテリアが置かれたり、コミュニケーションを生み出す動線設計がなされたりと工夫が凝らされている。
「terminal.0 HANEDA」館内には、空港施設を再現したモックアップや、カンファレンスなどが実施できるホールも。会議室や共用スペースには、感性を刺激するインテリアが置かれたり、コミュニケーションを生み出す動線設計がなされたりと工夫が凝らされている。(Photos:okamura)

terminal.0 HANEDAの共創支援コンサルティングをpoint0が手がけたという実績が評価され、多くの企業から問い合わせが寄せられた一年でもあった。「自社で共創施設を作成したものの、うまく活用できていない」「共創を進めたいがどう進めればよいかわからない」といった相談が数多く舞い込むなか、新たにパートナーシップを締結した企業もある。

クライアント企業に対しては、point0が6年間にわたり培ってきた知見を包み隠さず共有する姿勢を貫いている。

「自ら共創する仕組みと施設の両方をつくるなかで培ってきた知見や、数々の失敗経験、挫折とその乗り越え方などをすべて共有しています。それぞれ異なる社内体制やカルチャー、仕事の進め方などに寄り添ったかたちで共創支援を進めています」

コンサルティングというと、マニュアルのような「型」を作成し、短期支援をイメージする人もいるだろう。しかし大手企業の場合、人事異動があり、担当者が変われば状況が大きく変わることもありうる。

「point0も大手企業に籍を置くメンバーで構成されているため、大きな組織ならではの特性を深く理解しています。だからこそ私たちは、数年間など長期にわたって伴走型で支援していくスタンスを大切にしています」

コンサルテーションの一環として、point0メンバーが持つネットワークを活用し、共創を手がける第一人者に講演を依頼したり、先進的な共創施設の見学をアレンジしたりすることもある。こうした生きた情報提供が、クライアント企業の共創推進を後押ししている。

「実際に共創を実践している人や場の声を届けられるところにも、私たちの強みと価値があると考えています」

2026年以降も、クライアントの課題に寄り添いプロジェクトにコミットしていくために、年間1〜2件の緩やかなペースで案件を増やしていく方針だ。共創支援と一言でいっても、組織が抱える悩みはさまざまだと菅波は指摘する。

「施設はあるが機能していない、ネットワーク構築をどう進めればよいかわからないなど、それぞれの課題に合わせたソリューションを提供できるよう、イベント単体での支援やネットワーク構築に特化した支援といったかたちで、私たちのノウハウを共有していきたいと考えています」

>>point 0 annual report 2024-2025のダウンロードはこちらから


すがなみ・のりひろ◎point0取締役副社長。2005年丹青社入社。営業、経営企画を経験し、マーケティング・サステナビリティ統括部長として、マーケティング活動全般および、オープンイノベーションによる商品開発等に従事。2021年6月よりpoint0取締役副社長に就任。

Promoted by point0 | text by Rumi Tanaka | photograph(portrait) by Mizuaki Wakahara | edited by Kaori Saeki