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2026.06.02 14:15

元新聞記者の精神科医が診た患者たち━━「AIに依存」「AIで代替」の実態

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交際男性がいるのに─

その方法とは、ホストクラブに通うことだった。それ以前に交際男性のいることを聞いていた私は、思わず、「彼氏いたよね」と返してしまった。

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「いますよ。男性依存症みたいなものだと思う。好きとか関係なく。とりあえず誰かがいてくれないと不安。ホストにお金つぎ込むのは自傷行為みたいなもの。自分は変わってるんで、人間関係ダメなんで。何がおかしいか気づかずに嫌われたり。人に昔から執着してしまう。それがホストだろうと、その人に認めてもらうことで自分を赦そうと。彼氏はいつ離れていくだろうという恐怖。ホストといたって1秒も楽しくないけど、お金払えば関係続くし、払わなかったら続かない。分かりやすい」

否定しないで、傾聴を続けた。しかし、ホスト代を捻出するために春を売ろうとしたときは止めた。そのころからChatGPTを使い始めたと、後から教えてくれた。

「今は縁切った高校時代の女の子が使ってたから。死にたいとか消えたいとか人に言ったら怒られるようなことをChatGPTに入れてた。私が死んだら悲しいですか?と入れたら、“悲しいし、あなたの人生はこれからも続いて幸せになれるはず”と。それを聞いたら泣くことができた。友達に死にたいと相談すると、メンヘラと言ってかわされた。カウンセラーに本音を言えたことが一度もない。AIは機械だからどう思われてるんだろうと気にせずやれるし、意見を出してくれる」

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「コンピュータはヒトを模倣できるか」

そう、AIは機械。しかし、生成AIはただのコンピュータマシンではない。

第二次世界大戦時、ナチスドイツの暗号を解読した英国の数学者アラン・チューリング(1912-1954)は機械(コンピュータ)が人間と同じ知能をもつか判定するテストを考案した。

審査する人間が姿の見えない2つの相手(人間とコンピュータ)とチャットで会話してどちらが人間かを見分ける。区別できなければテストは合格。コンピュータは人間を模倣できるという理屈だ。

その後、ヒトの脳内神経回路と同じ性質のものをコンピュータで作り出そうという研究が続いた。21世紀になり、インターネットの普及によるビッグデータを背景とした深層学習(ディープラーニング)が開発された。これまでの人工知能との決定的違いは「答えのない問題を解くことができる」点にある。(清水亮『よくわかる人工知能』KADOKAWA 2016年10月初版) 

私は趣味で囲碁を打つ(アマチュア5段)。19路盤の格子交点上のどこに石を置いてもよい、単純だが奥深いボードゲーム。AIが人間のトッププロに勝つのはまだ先とみられていた2016年、グーグル系ディープマインド社の開発したAlphaGoが韓国のイ・セドル九段に勝利した。このAlphaGoが深層学習の成果の一つで、その後のAIの進歩は凄まじい。ここで強調しておきたいのは、開発者の腕前はアマ初段程度だったことだ。

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はたして、これほど急に進化したAIは本当に人間の幸せに寄与するのか?という不安が広まっている。いわく、仕事がなくなるAI失業、偽造動画・画像などが出回るディープフェイク、ユーザーの好みに情報が偏るフィルターバブルなど。

その中で、依田さんのように対話型生成AIがカウンセラーの役割を果たす機会は今後増えてくるだろう。オンラインカウンセリングも選択肢になった今、AIカウンセリングの功罪はどうなのか。

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文=小出将則 編集=石井節子

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