米海軍の主力「第8空母航空団」
第8空母航空団がフォードに配属されたのは2022年のことだ。それ以前は、それまで最新鋭だったニミッツ級空母の最終艦「USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)」に搭載されていた。
しかし、この航空団の系譜は、第2次世界大戦中に就役したエセックス級空母「USSイントレピッド(CV-11)」に搭載され、太平洋戦争での奮戦により大統領部隊感状を授与された第8空母航空群(CVG-8)にさかのぼる。
CVG-8は戦後に一度解隊されたものの1951年4月9日に再編成され、以来、現在の第8空母航空団に至るまで継続して運用されてきた。1950~60年代にはミッドウェイ級空母「USSコーラル・シー(CV-43)」、エセックス級空母「USSレイク・シャンプレイン(CV-39)」、初の超大型空母「USSフォレスタル(CVA-59)」など複数の空母を母艦とした。
第8空母航空団(CVW-8)へと名称変更後は、エセックス級空母「USSシャングリラ(CVS-38)」やキティホーク級超大型空母「USSアメリカ(CV-66)」に搭載された。
映画でも活躍した「トムキャット」時代
1975年、第8空母航空団は原子力空母「USSニミッツ(CVN-68)」に配属され、1980年公開の米SF映画『ファイナル・カウントダウン』にも登場する。
1981年に地中海南部リビア沖で起こった「シドラ湾事件」では、ニミッツ艦載の第8空母航空団に当時所属していた第41戦闘飛行隊(VF-41)のグラマン製F-14戦闘機「トムキャット」2機が、リビア軍のスホイSu-22戦闘機2機と交戦し撃墜。これはF-14がドッグファイトで敵機を撃墜した初の確認事例となった。
第8空母航空団はその後、1982年に就役したニミッツ級空母の3番艦「USSカール・ヴィンソン(CVN-70)」の初展開時に搭載されるが、再びニミッツ配属となる。次いでニミッツ級4番艦「USSセオドア・ルーズベルト(CVN-71)」に配属され、1991年の湾岸戦争における米軍主導の「砂漠の嵐作戦」、1995年にボスニア・ヘルツェゴビナ上空でNATOが実施した「デニー・フライト作戦」で戦闘作戦行動に参加した。
2000年代に入ると、第8空母航空団は当時の現役最古の原子力空母「USSエンタープライズ(CVN-65)」に搭載され、2001年には半年以上に及ぶ長期展開を完了。この間、9.11米同時多発テロ事件を受けてアフガニスタンで米英が実施した「不朽の自由作戦」で、初期の空爆に参加している。
2003年には再び空母セオドア・ルーズベルトを母艦として、米軍主導の有志連合軍がイラクのフセイン政権を打倒した「イラクの自由作戦」に参加。1000回を超える出撃と5000時間以上の飛行を行い、総重量100万ポンド超の精密誘導兵器を投下した。
2005年には、トムキャットを配備する最後の空母航空団となった。
2011年、空母ジョージ・H・W・ブッシュの就役に伴い、第8空母航空団は同艦に配属された。2017年には同艦からの作戦展開中、所属するF/A-18E戦闘攻撃機「スーパーホーネット」がシリア空軍のスホイ22を撃墜した。


