北米

2026.05.15 08:00

習近平が米国企業に対し「さらに広く門戸を開く」と発言、トランプ訪中で

White House via X/Anadolu via Getty Images

これまでの緊張状態とは一変

今回の友好的なムードは、1年前の状況を踏まえれば劇的な変化だといえる。2025年、トランプは中国製品に対して高い関税を課し、これに反発した中国政府はレアアースの輸出制限で応戦した。

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レアアースはiPhoneから戦闘機に至るまであらゆる製品に使用される鉱物資源で、中国が世界の供給を支配している。この争いは1年間の休戦で幕を閉じ、その期限は今秋に訪れる。中国は世界のレアアースの約85%を精製し、それらを使用した磁石の90%以上を製造している。これは、今後予定されるいかなる交渉においても、中国政府が強力な交渉カードを握っていることを意味する。

会談に同席した経営者たちも、中国政府との間にそれぞれの緊張を抱えてきた。アップルは現在もiPhoneの大部分を中国で製造しているが、新型コロナウイルスの流行によるロックダウンで供給網の脆弱性が露呈したことを受け、生産拠点をインドやベトナムへ移管させる動きを急いでいる。

かつて中国の規制当局から厚遇されていたテスラは、BYDなどの中国EVメーカーに市場シェアを奪われ、データの国内保存規則にも直面してきた。ボーイングはこれまで何度も両政府の板挟みになっており、昨年の関税戦争の最中には中国への機体納入が停止されたが、休戦の一環として再開された経緯がある。

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エヌビディアもこの2年間、両政府に翻弄されてきた。国家安全保障を理由に米国政府から最も先進的なAI半導体を中国に輸出することを禁じられる一方で、フアンCEOは、かつてデータセンター部門の売上高の相当な割合を占めていた中国市場へのアクセスを少なくとも一部維持できるよう、公にロビー活動を行ってきた。フアンが土壇場でトランプの訪中に加わったこと、そしてその数時間後にロイター通信が「米国が中国の主要企業に対するH200の販売を承認した」と報じたことは、そのロビー活動がついに実を結びつつあることを示している。

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翻訳=江津拓哉

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