米国時間5月14日、約1年にわたる膠着状態と数カ月の交渉を経て、暗号資産業界が最優先課題として掲げてきた「クラリティ法案」が米上院銀行委員会を通過した。このニュースを受けて暗号資産関連株は一斉に上昇し、コインベースが約9%、ストラテジーが約8%、ロビンフッドとギャラクシー・デジタルはそれぞれ約6%の急騰を記録した。
採決の結果はほぼ党派に沿ったものとなったが、民主党からは唯一アリゾナ州選出のルーベン・ガレゴ議員が法案の支持に回った。共和党の委員会メンバーは全員この法案を支持している。
クラリティ法案の核心的な役割は、2つの連邦機関の間で長年続いてきた縄張り争いに終止符を打つことにある。一方は株式を規制する証券取引委員会(SEC)、もう一方は小麦や石油先物などのコモディティを規制する商品先物取引委員会(CFTC)だが、これまで暗号資産に対する明確な管轄権はどちらにも付与されていなかった。
クラリティ法案が成立すれば、大半の暗号資産トークンはCFTCの監督下にある「デジタル・コモディティ」として分類される。一方で、「証券」とみなされる一部の資産についてはSECの管轄に留められることになる。また、本法案は暗号資産取引所に対し、銀行と同等の反マネーロンダリング規則の遵守を義務付けている。
米ドルに連動する暗号資産トークンである「ステーブルコイン」をめぐる長年の紛争についても、5月初めに妥協案が成立した。この合意により、サークルなどのステーブルコイン発行体は保有者に対して報酬を支払うことが可能となる。ただし、それらが銀行預金の代用品として機能することを防ぐための制限も設けられている(この妥協案こそが、法案審議の膠着を打破した最大の要因と広く見なされている)。



