テクノロジー

2026.05.15 10:00

シリコンバレーの名投資家が読む「AIの次章」 宇宙、フィジカル、日本の勝ち筋

米国、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストのエリック・ベナモー氏にインタビューした

BGVはこのデータに基づき、シリコンバレー外のイノベーションハブで創業したスタートアップを発掘し、米国市場でのスケールを支援するクロスボーダー・ソーシング戦略を打ち出している。

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「AIネイティブな企業は事業計画の作成からソフトウェア開発、マーケティングに至るまで、すべてのプロセスがAIによって支えられています。組織はとても効率的であり、10人程度のチームでも急速に成長し、1日に複数回の製品リリースを行うことも珍しくない」のだと、ベナモー氏は語る。

実社会に広がるAIエージェントの導入領域

BGVは投資注力領域としてヘルスケア、エージェント型コマース、ソフトウェア開発、サイバーセキュリティ、エネルギー・産業、デュアルユース(軍民両用)技術の6つを設定している。同社の投資先企業は、人手不足や業務の煩雑さが課題となっている産業に向けて、繰り返し発生するデータ処理や定型業務をAIで自動化するための、魅力あるソリューションを提供している。いくつかの例を挙げる。

エネルギー・産業分野の「AiDash」は、独自のAIモデルと高頻度の衛星データを組み合わせ、送電網など分散型インフラの監視と予知保全を自動化している。

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Greenly」はAIネイティブなプラットフォームにより、気候データの収集から分析、報告、排出削減までを自動化するカーボンマネジメントを提供する。企業の温室効果ガス排出量を分類する指標であるスコープ1/2/3を含むバリューチェーン全体の排出量管理を支援し、気候対応を競争優位に転換する。

ヘルスケア領域の「xCaliber Health」は医療現場の事務負担を軽減するため、スケジューリングから事前承認、患者ナビゲーションに至る一連の臨床ワークフローを自動化するAIアシスタント「Merlin」を提供している。

これらの企業に共通するのは、単一の作業を効率化するだけでなく、特定領域の一連の業務プロセスをAIエージェントに任せようとしている点にある。

BGVがウェブサイトに公開しているコンピュータネットワーク技術の発展史。PC、インターネット、クラウド、AIを経て、企業ITは人間中心のEnterprise AIへ。業務を自動化し、人の創造性を拡張する新段階に入ったとしている
BGVがウェブサイトに公開しているコンピュータネットワーク技術の発展史。PC、インターネット、クラウド、AIを経て、企業ITは人間中心のEnterprise AIへ。業務を自動化し、人の創造性を拡張する新段階に入ったとしている
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編集=安井克至

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