ノートパソコンを広げた若い起業家が深夜に集う、Corgi Cafe
こうした徹夜で働くスタートアップ文化を象徴する店がCorgi Cafeだ。4月のある火曜日の午後8時半、店内は活気に満ちていた。明るく照らされた店内では、ノートパソコンを広げた若者を中心とする約30人が、丸い木製テーブルを囲むように席を埋めていた。1人の男性はZoomで通話中で、別の男性はAnthropicのコーディング支援ツールであるClaude Codeを使って作業を進めていた。女性の1人は、チポトレのカップに入った飲み物を口にしながら、コンピューターに向かっていた。
来店客の1人、22歳のローレンスは、ローンチ前のソーシャルメディア系新興企業を立ち上げた起業家だ。「現在のサンフランシスコには泥臭い起業家精神がある。このカフェは、それを体現している」と彼は語る。
別の客にとって、この店は新興企業の世界を実地で学ぶ場になっている。「ここに通い始めるまで、VCやYCが何なのかさえ知らなかった」と語るイギー・マクレガーは、ロンドン出身の20歳で、イーストベイのコミュニティーカレッジで心理学を学んでいる。彼が言うVCはベンチャーキャピタルのことで、YCは著名なテックスタートアップ・インキュベーターであるYコンビネータを指す。
赤字でもCorgi Cafeの運営を続け、新たな出店も計画
ラクアによれば、Corgi Cafeは赤字だが、それほど大きな額ではないという(彼は利益率を明らかにしていない)。それでもラクアは、コミュニティーづくりや、顧客・社員の獲得につながる効果を考えれば、運営する価値はあると見ている。新興企業は飲食物の費用をすべて負担すれば、このカフェでイベントを開くことができる。
Corgi Cafeは、テック企業がスポンサーになった特製ドリンクも提供している。たとえば、クレジットカードの新興企業Brexが協賛する「Brexspresso」は、氷、トニックウォーター、ダブルエスプレッソショット、オレンジビターズを使ったドリンクだ。コードレビュー・プラットフォームのQodoが協賛する「The Qodo Brew」は、氷、水、コールドブリュー濃縮液を組み合わせている。コラーゲンペプチドやスピルリナのような「ブースター」も用意している。ベンチャーキャピタリストが、投資先候補を探しに立ち寄ることもあるという。
Corgiは、ニューヨークやダラスを含む他の拠点の近くにもカフェを開く計画だ。保険事業が、かつてのソーシャルメディアアプリのようにうまくいかなかった場合には、カフェがよい代替策になるのかもしれない。
「テクノロジーが好きで、文章を書くのが好きで、働くことが好きな人が、ふらっと立ち寄って過ごせる貴重な空間を我々は提供している。この場所がもたらす波及効果は、我々自身もまだ把握しきれていないと思う」とラクアは語る。
彼はまた、顧客に対し、かなり大げさな約束をしている。「たとえ街を焼き尽くすような火事が起きたとしても、カウンターの裏でコーヒーを作っている私の黒焦げの遺体が見つかるはずだ。この店は絶対に閉まらない」とラクアは冗談めかして語った。


