開発を急がせる圧力
チャナはこの点をさらに掘り下げ、取り残されることへの恐れが、少し速すぎるかもしれないAI開発を後押ししているのかをパネルに尋ねた。
「私たちの開発を動かしているのは任務です」とバティアは述べた。「私たちの組織には『良い危機を無駄にするな』という言葉があります。危機を通じてこそ、本当に制約されている資源が何なのかが分かるからです。
一方で、書類仕事の官僚主義や、リスクを取ることへの恐れは消えていきます。人命が懸かっているとき、自国民が危機にさらされているとき、人々は『では、どうファインチューニングすればよいのか』と考えるようになります。もっと単純に言えば、『必要な情報を問い合わせ、数時間ではなく数分で作戦に反映させるために、必要な知識ベースをどう構築すればよいのか』と考えるようになるのです」。
「消費者向けや商用の用途と、軍事用途とでは、必要なガードレールの水準が違うと思います」とグレイリンは述べた。「軍事用途では、その柔軟性が必要になるため、ガードレールを外します。したがって、軍事用途で使われているモデルは、商用で利用できるものと比べると、おそらく1年から1年半ほど古いものです」。
オープンウェイトモデル
オープンウェイトについて、マチンはこう述べた。
「中国でオープンウェイトモデルの突破口が開かれ、それが公開されるたびに──そもそも中国側は(チップ規制の制約下で)カーネル(中核アルゴリズム)レベルにまで踏み込んでイノベーションを生み出さざるを得ない立場にあるのですが──(米国の)西海岸にいる側は、朝、画面を見て論文を読み、コーヒーを飲み、それを実装し、自分たちのモデルにそのまま本番投入すればいいのです」。
一方、グレイリンは、それでもオープンウェイトという開発スタイルのおかげで、中国のラボは米国の同業者に比べて支出をはるかに抑えられていると指摘した。
まとめ
最後に近づくと、チャナはケンブリッジで進行中の取り組みについて少し触れ、AIがディストピア的な未来へ向かっているのか、それとも豊かさの未来へ向かっているのかについて参加者に意見を求めた。その結果として交わされた会話も興味深かったが、混沌とした競争状態にあるように見える世界の中で、いわばAIの「外交」をいかに紐解いていくかという、上記のテーマもまた興味深いものだった。
今後も注目したい。


