現在のAIをめぐる国際情勢について語るパネル
スタンフォードHAIといえば、筆者が関わる「Imagination in Action」が4月9〜10日にMITで開催したイベントの一部でも、現在のAIをめぐる国際情勢について語るパネルがあった。Imagination in Actionは、テクノロジーを中心にした年次イベントを複数運営している。
Cambridge Frontier Technologies Laboratoryのディレクター、シムラン・チャナが、Intrepid Growth Partners共同創業者のマーク・マチン、新たに統合されたスタンフォードHAIのアルヴィン・グレイリン、そして現在AWSに所属するショーン・バティアに話を聞いた。バティアは軍事分野での経験もあり、米国防総省のAIツール「Maven」で指導的役割を担ったことがある。
「私たちは、ますます多極化する世界に生きています」とバティアは、新たな国際情勢に関する質問に答えて述べた。「このチェス盤を考えるうえで重要な点の1つは、それがもはや二次元ではないということです。人々は従来、軍事戦略や国家の力を、軍事力と経済力という2つの軸で考えてきました。その2つは今も非常に重要です。しかし現在は、その下に3つの基盤がある世界へと進化しています。その1つが、こうした能力の多くを支えるデータセンターと計算資源のインフラです」。
マチンは、「チョークポイント」の戦略的価値について語った。
「米国の資本市場は巨大です」と彼は述べた。「世界で実質的に機能している大規模IPO市場は2つしかなく、米国はその1つになっています。これは、中国から資本を遠ざけるうえでも、中国国内でイノベーションと成長を支える資本の利用可能性を低下させるうえでも、非常に大きな優位性です」。
グレイリンは、国際舞台に混乱をもたらしていると自身が見る一連の誤った前提に異を唱えた。それは、明確な勝者が「ゴールライン」に到達し、AIで決定的に「勝つ」という考え方である。
「明確なゴールラインはありません」と彼は述べた。「AIは100メートル走ではないからです。毎週のように首位に立つモデルは変わっていますし、オープンウェイトモデルとクローズドモデルの差は、どんどん縮まっています」。
彼はまた、単に規模を拡大するだけではない、AIを向上させる手法の多様性についても語った。
「現在得られている進歩の多くは、単にチップを増やしたことによるものではありません」と彼は説明した。「実際には、アルゴリズムの改善によるものです。蒸留によるものでもあり、量子化によるものでもあります。さらに、別のアプローチによるものでもあります。こうしたものすべてが、線形の、あるいは時には指数関数的な向上をもたらしています」。


