サービス

2026.05.16 09:00

グーグル、Android『メッセージ』アプリ刷新──RCS暗号化に対応

Francois Eichinger - stock.adobe.com

Francois Eichinger - stock.adobe.com

グーグルとアップルが、足並みをそろえる形で発表を行った。iPhone向けの新しいiOS 26.5はすでに公開され、長く待たれていたテキストメッセージの変更が解禁された。アップルのアップデートは世界中で見出しを飾っているが、より重要なのはグーグルの変更である。

グーグルは米国時間5月11日、「AndroidとiPhoneのユーザー向けに、エンドツーエンドで暗号化されたRCSメッセージの提供を本日開始する」と発表した。「グーグルとアップルは、業界横断の取り組みを主導し、RCSにエンドツーエンド暗号化を導入しました。RCSは従来のSMSに代わるクロスプラットフォームのメッセージ規格であり、今回の変更によって、より安全でプライバシーに配慮したものになります」。

これは、2014年のサービス開始以来、「Google メッセージ」にとって最も大きな変更である(編注:2014年、OSの一部サービスという扱いからアプリとして独立。当時のアプリ名は『Messenger』で、現在の名称になったのは2023年末)。インストール数は約100億件に達し、サムスン端末でも標準のメッセージアプリの地位を確保した今、このプラットフォームは、世界中の数十億人のユーザーに向けた安全なクロスプラットフォームの選択肢として、ついにWhatsAppと正面から競う機会を得た。

ただし、アップル自身の発表には、非常に示唆的なただし書きが含まれている。「iMessageはプライバシーを念頭に設計されており、常にエンドツーエンドで暗号化されています。Apple製デバイス間の通信方法としては、今後もiMessageが最適です」。

ここが核心だ。RCSの暗号化アップグレードは、アップルよりもグーグルにとって重要だ。iPhoneユーザーはiMessageを標準的に使う傾向が強い一方、AndroidユーザーがGoogle メッセージを同じように標準として使うとは限らない。Androidにおける実質的な標準はWhatsAppだからだ。

だからこそ、Android部門の責任者であるサミール・サマットはXで強気の姿勢を示した。ロケットの絵文字も添え、このテキストメッセージの変更を「すばらしい節目」と表現したのである。「ビッグニュースです。本日、AndroidとiPhoneのユーザー間で、RCSメッセージのエンドツーエンド暗号化の提供を開始します。この業界横断の取り組みにより、時代遅れのSMSは、どのスマートフォンを使っていても、より安全でプライバシーに配慮したチャット手段に置き換えられます」。

グーグルおよびAlphabetのCEOであるサンダー・ピチャイがこの投稿を共有したのも、そのためだ。

このRCSの変更は、グーグルにとっては一貫して重要なものであり、アップルにとっては不本意な譲歩と感じられてきた。iMessageは、特に米国において、アップルの数兆ドル(数百兆円)規模の「壁に囲まれた庭園」を支える柱の一つであり続けてきた。RCS暗号化への同意は、米国向けというよりもむしろ中国を意識したものではないかという憶測すら存在した。

初出の2014年から約12年経過した現在、この変更はAndroidユーザーをWhatsAppから引き離すのに十分だろうか。RCSはGoogle メッセージの中核機能だが、iMessageにとっては単なる追加機能にすぎない。アップルユーザーが青い吹き出しを見るのは、同社の囲い込みの中に安全にいる場合だけである。RCSメッセージは暗号化されるようになったかもしれないが、吹き出しの色は依然として緑のままだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事