スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が発表した8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数によると、全米の住宅価格は、同月に過去1年で最大の伸びを見せた。8月の全米9つの調査区域における一戸建て住宅の総合指数は4.7%と、7月の4.6%を上回った。
全米主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数は、7月に前年同期比で5.1%上昇。主要10都市平均では前年比4.7%増という結果になった。
前年比で最も高い上昇率を見せたのは、サンフランシスコ(10.7%)、デンバー(10.7%)、ポートランド(9.4%)の主要都市だった。「住宅価格の全米指数は年間4~5%の上昇率を示しており、他の指数も堅調な伸びを見せている。」S&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのデビッド・ブリッツァー指標委員会会長はこのようにコメントした。
住宅価格はインフレ率より早いペースで上昇しており、ブリッツァー会長は、インフレ率の高かった2005年から2006年より、低インフレの続くこの時期の住宅価格の5%という上昇率は大きな意味合いをもつと指摘した。住宅価格は、1997年から2005年の住宅ブーム後と比べても速いペースで回復しており、上昇率の横ばい状態が続いているのは低インフレが続いているためだと分析している。
オンライン不動産情報サービス米ZillowのチーフエコノミストSvenja Gudell氏は、「米国の年間住宅価格上昇率は低めながらここのところ上向き傾向で安定している。比較的安定した状態は今後もしばらくは続くと考えられる。」としている。
全米住宅価格指数は、季節調整済みで7月に前月比0.3%上昇、20都市指数は0.4%、10都市指数は0.3%上昇している。