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2026.05.14 12:00

ChatGPTなどAIの「トークン」は新たな通貨か? ビジネスで知るべき新概念とコスト

prima91 - stock.adobe.com

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AI(人工知能)があらゆる産業を変革する中、企業は新たな用語・概念である「トークン」に向き合わざるを得なくなった。トークンは今や、企業にとって基盤的なコストであると同時に、投資対効果(ROI)や従業員パフォーマンス評価における重要項目にもなっている。トークン資産を最大化するビジネス行動を指す「tokenmaxxing(トークンマクシング)」のような言葉も、シリコンバレーの外へ広がりつつある。企業が従業員をトークン使用量で公に評価するケースも出てきており、使用量が多すぎても少なすぎても懸念材料となる。トークンとは何か。企業のリーダーは何を知っておくべきなのか。

トークンとは何か

トークンとは、AIの処理単位である。ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)の中核にある自然言語処理(NLP)の技術に由来し、トークンは「単語のまとまり」「単語」あるいは「単語の一部」を指す。各AIは一度に一定数のトークンを処理できる(コンテキストウィンドウと呼ばれる)。AIサービスはトークン単位で課金され、購入するサービスレベルに応じて、トークン価格が固定の場合も変動の場合もある。

実例

従業員がLLMを使ってメール文面を修正しているとしよう。下書きメールのテキストと指示を含む最初のメッセージには、一定数のトークンが含まれる。AIの応答にも同様にトークンが含まれる。以降のやり取りはすべてコンテキストウィンドウに追加され、追加トークンとして送り返される。研究によれば、こうした単純な作業でも、ChatGPTやClaude、Geminiのような一般的なLLMではメール1通あたり約100トークンを消費するという。本稿執筆時点の一般的なトークン価格からすると、この作業コストは約0.25米セントとなる。

ビジネスの成功との関係

トークンが企業会計において重要になった理由はいくつかある。

生産性

企業は従業員にAI利用の拡大を促し、それが生産性向上につながると期待している。AI利用を評価する方法の1つが、従業員1人あたり・単位時間あたりのトークン数である。この指標は、メール、コンテンツ制作、ソフトウェア開発など、あらゆるAI利用を捉える。

コスト

トークンは「安価」であり、さらに安くなりつつある。しかし、AI利用が(業務の種類と各業務の複雑性の双方において)爆発的に拡大するにつれ、トークン使用量も増えている。利用促進のために当初は従業員に無制限トークンを提供していた企業も、現在ではトークン制限を見込むようになっている。このバランスは必然的に「トークン効率」という概念につながる。つまり、従業員が単にトークンを消費するのではなく、その利用が生産性向上と結びつき、使用が最適であることを確認する必要がある。

価格モデル

トークン価格は、時間によってもAIモデルによっても変動しうる。利用が拡大し、トークン価格が企業の損益において無視できない項目となるにつれ、各タスクに適した(あるいは適切なコストの)モデルが使われているかを理解することが不可欠になる。

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