経済・社会

2026.05.21 13:30

レアアース・レアメタル関連銘柄30選。「国策」への貢献度見極めを

株式市場もレアアースを巡って目まぐるしく動いている。中長期的な投資テーマとして浮上した、レアアース・レアメタル関連銘柄の最新動向をまとめた。

世界のレアアース生産シェアの約7割を占めているのは中国だ。昨年、トランプ米大統領による相互関税に端を発し、中国がレアアースの輸出規制強化を発表したことでレアアース価格が急騰したのは記憶に新しい。特に高性能永久磁石の原料となるネオジムなどは、引き続き高値圏で推移している。また日本でも、経済安全保障の観点からレアアースの「国産化」の検討が進んでいる。南鳥島沖の深海底から世界初の「レアアース泥」試験採掘が始まるなど、今後も関連ニュースが続く見通しだ。

こうしたなか、レアアース・レアメタルの探査・採掘・製錬技術開発や事業化に携わる国内の企業群への注目が高まっている。レアアース・レアメタルは株式市場においても、中長期的なテーマになっていく可能性がある。ただ、足元の業績は「玉石混交」で、期待先行の面が否めない銘柄もあることには注意したい。国際情勢とともに、各社の技術の進展や事業化の進捗、そしてそれらが実際の業績に与える影響などを注視していく必要がありそうだ。

レアアース・レアメタルに詳しい専門家やストラテジストへの取材を基に、レアアース・レアメタルに関連する30銘柄をピックアップした。各社の事業内容や最近のニュース、特筆すべきポイントを紹介する。売上高・営業利益などの業績は、直近の通期決算を参照した。


東洋エンジニアリング(6330)

売上高:2,780億円 営業利益:25億円

南鳥島沖レアアース泥計画に参画
プラントエンジニアリング業界大手。内閣府と海洋研究開発機構(JAMSTEC)による南鳥島沖の「レアアース泥」回収プロジェクトに参画。粘性が高くスムーズに流れないレアアース泥をスラリー(液体と鉱物などの微粒子の混合物)に変えて船上にくみ上げるシステムのうち、解泥・採泥に関する機器の設計、製作を担当。

三井海洋開発(6269)

売上収益:45億8,123万米ドル 営業利益:4億3,760万米ドル

国内唯一の浮体式生産貯蔵設備
海洋油田・ガス田のある洋上で石油・ガスを生産・貯蔵するための「浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)」を設計、建造する国内唯一の企業。東京大学が主導する「レアアース泥・マンガンノジュール開発推進コンソーシアム」に参画。FPSOを応用した、レアアース泥を採掘するためのシステムの開発が期待されている。

古河機械金属(5715)

売上高:2,012億円 営業利益:97億円

鉱山技術の海底資源開発応用に期待
銅山の経営にルーツをもち、2025年に創業150年を迎えた。鉱山開発で培った技術が強みで、特に岩盤に穴を開ける「油圧クローラドリル」(国内シェア70%)や、固形物の混じった液体を輸送する「スラリーポンプ」(国内シェア40%)などの機械の製造技術が、海底鉱物資源開発にも応用できると期待されている。

双日(2768)

営業収益:2兆5,097億円 純利益:1,106億円

非中国系サプライチェーン構築
2011年、豪レアアース生産大手のライナス・レアアースとの間で、日本市場向けの軽希土類について独占販売契約を締結。以降、ライナス社に対する複数回の出融資を行い、23年には、永久磁石などに用いられる重希土類のジスプロシウムとテルビウムの供給を確保。最近では中重希土類の輸入を最大6品目に増やす計画が報じられた。

信越化学工業(4063)

売上高:2兆5,612億円 営業利益:7,421億円

ネオジム磁石の一貫生産体制を構築
高性能永久磁石(ネオジム磁石)製造のため、原料の精製からリサイクルまですべての工程を一貫して行う生産体制をベトナムの拠点で構築している。また、ジスプロシウムやテルビウムといった希少な重希土類を効果的に使う手法で、少ない量でも強い磁力を維持したまま耐熱性を高める「省レアアース」を実現している。

岩谷産業(8088)

売上高:8,830億円 営業利益:462億円

仏レアアース生産企業に出資
LPガス・産業ガスの大手。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で2025年に合弁会社を設立し、フランスのレアアース生産企業であるカレマグ社に約1億ユーロ出資した。同社が27年にも生産を開始するジスプロシウムとテルビウムについて長期供給契約を結び、将来的に日本の需要の2割相当を調達する計画。

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文=フォーブス ジャパン編集部、中居広起(コラム) イラストレーション=ティム・ボーラース

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