世界を往来する移動は、もはや単なる消費ではない。意思決定の速度と質を左右する「競争力」そのものだ。海外市場で戦う企業にとって、時間は最も希少な経営資源である。双日は、ビジネスジェットの共同所有という新たな選択肢を提示する。
グローバル市場で戦う企業にとって、ビジネスジェットは経営層の時間を最大化し、意思決定の速度を高めるための有力な戦略投資のひとつとなっている。事実、NBAA(全米ビジネス航空協会)のデータによれば、世界で最も称賛される企業のトップ50社のうち98%がビジネスジェットを活用している。これは、時間をいかに資本としてとらえるかというグローバルスタンダードな価値観を反映したものといえるだろう。
一方、日本においては依然として「贅沢品」という固定観念が根強く、この認識の乖離が物理的な機会損失を生んでいるとの見方もある。こうした構造的なギャップを埋めるべく双日が提示するのが、ビジネスジェットを共同所有するフラクショナルオーナーシップ型サービス「Share Jet Program」(以下、SJP)だ。この仕組みは、日本の企業にとって移動戦略を刷新する第3の選択肢になりうる。
ビジネスの連続性を守る
SJPの戦略的インフラ機能
双日のビジネスジェット事業には、20年以上にわたり日本市場で積み上げてきた実績がある。2003年、ボーイング・ビジネスジェットの販売を手がけるとともにチャーター運航事業を開始。これを皮切りに06年には運航管理事業に参入し、機体維持、パイロット派遣、整備手配までを一体で担う体制を構築した。
さらに、チャーター運用も含めた実務経験を通じて、利用者の行動パターンや潜在ニーズを蓄積。こうした知見がSJPの設計思想の基盤となっている。ビジネスジェット事業部第一課課長の佐々木祐一郎(以下、佐々木)は、開発の背景を次のように振り返る。
「単独保有は整備時に運航できず、チャーターは繁忙期に機体を確保しにくい。こうした制約を解消し、常に機動力を維持するための選択肢として、共同保有というモデルにたどり着きました」
フルオーナーシップとチャーターという既存の二択に対し、SJPはその中間に位置する。同サービスの営業に携わる福満嘉人(以下、福満)は、この構造を次のように表現する。
「当社はこれまで、一からあつらえるフルオーダースーツのような単独所有と、汎用的な既製服に近いチャーター利用において実績を積み上げてきました。そこに、オーダーメイドの品質を維持しつつ、共同保有による合理性を追求したのが『究極の既製服』ともいえるSJPです」
同サービスは保有そのものではなく、必要なときに使える状態の価値を重視して設計されている。機体整備時に代替機を保証する仕組みは、経営判断や商談の機会損失を防ぐための基盤となる。
「代替機保証は、当社の機体運用基盤があってこそ成立するものです。不測の事態でもオーナーの機動力を損なわない設計になっています」(佐々木)
プログラムは年間利用日数に応じた4つのレーベルで構成。最上位の「Imperial(150日/12カ月先まで予約可)」を筆頭に、「Royal(100日/8カ月先まで)」、「Standard(75日/6カ月先まで)」、「Basic(50日/4カ月先まで)」を用意。過去の利用データに基づき、経営層の行動パターンに最適化された設計となっている。また、パーソナライズの精度について福満は次のように話す。
「SJPでは原則として専属のクルーと客室乗務員が担当します。フライトを重ねることでアメニティなどの嗜好から座席周辺の物品配置といった細かな要望がチームの共通認識として蓄積されるため、搭乗した瞬間から最適化された空間でお過ごしいただけます」
供用機にはボンバルディアの最新鋭機「Global 8000」「Global 6500」を採用。機内は複数の独立エリア(Global 8000は4エリア、6500は3エリア)で構成されている。戦略会議を想定したクラブシートの配置から、長距離移動後の即戦力を保つためのマスタースイートへの転換、あるいは会食を目的としたダイニングの設えまで多様な過ごし方を選択できる。こうした空間の多機能性に専属コンシェルジュが蓄積したオーナーのパーソナルな情報が組み合わさることで「上空の執務環境」を実現する。
「地上での業務から機内、そして現地での商談へと、シームレスで集中力を途切らせるものがない。この思考の連続性が多忙な経営層に支持されています」(佐々木)
加えて、専用アプリによる予約システムを導入。区間入力から予約までを完結できる設計は、経営者の時間効率を高めるものとなっている。
時間価値の最大化が
日本企業の競争力を底上げする
SJPが可用性を追求する背景には、経営者の時間価値を最大化することにある。福満は米国内の複数拠点を巡る出張を例に挙げ、その有用性を具体的に提示する。
「定期便で9日間を要する行程が、SJPであれば7日間で完結することも珍しくなく、生み出された時間はさらなるビジネス機会の創出に直結します。同様の出張が年に10回あれば計20日間の余白が生まれることになる。経営者の稼働時間が実質的に約1カ月分増加するインパクトは計り知れません」
佐々木は世界に挑む日本企業にビジネスジェットを活用してほしいと語る。
「日本では、ビジネスジェットは一部のオーナーのみが享受する特権的なものと考えられてきました。しかし、本来は上場企業を含む多くの経営層にこそ時間価値を高める『戦略的投資』としてとらえていただきたい。SJPは、そうした経営判断を支える現実的な選択肢でありたいと考えています」
欧米ではすでに定着しているビジネスジェット活用。双日は、可用性と合理性を兼ね備えた「究極の既製服」を提供することで、日本企業の競争力を底上げしていく。
Share Jet Program
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