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2026.05.13 14:30

グーグルとSpaceX、「衛星軌道上データセンター計画」で提携か

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ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、グーグルはSpaceXとのロケット打ち上げ契約の可能性について協議している。テック各社によるAIデータセンターの「宇宙進出」が加速するなか、これが新たな提携候補となっている。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、事情に詳しい匿名の関係者の話によれば、この提案ではクラウドやAI分野で競合関係にあるグーグルとSpaceXが、軌道上データセンターをめぐって提携することになると報じた。

SpaceXを率いるイーロン・マスクは、AIデータセンターを宇宙空間に設置することが、莫大な資源を必要とするインフラ施設を建設するうえで最も費用対効果の高い方法になると主張してきた。

同紙が引用した関係者の1人によると、グーグルはこのデータセンター計画について、競合する打ち上げプロバイダー各社とも協議している。

ForbesはグーグルとSpaceXにコメントを求めている。

グーグルは他にどのロケット打ち上げ企業と組む可能性があるのか

商業打ち上げ事業者として主導的な地位を築いてきたSpaceXと契約に至らない場合、グーグルは、ジェフ・ベゾスが所有するBlue Origin、軌道打ち上げを専門とするRocket Lab、あるいはUnited Launch Allianceとの提携を検討する可能性がある。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道では、グーグルがロケット打ち上げ契約について協議しているほかの企業名は明示されていない。

マスク率いるSpaceXは先ごろ、AI分野の有力企業であるAnthropicとの契約を発表したばかりだ。この契約により、Anthropicはスーパーコンピューター「Colossus(コロッサス)」を利用できるようになる。この合意の下で、AnthropicはSpaceXと提携し、「複数ギガワット規模の軌道上AI計算能力」を構築することに関心を示している。

SpaceXは発表の中で、次世代AIの開発に必要な演算能力は「地上の電力、土地、冷却設備が必要なペースで供給できる限界を超えつつある」と述べ、「宇宙空間での演算は、地球への影響をより小さく抑えつつ、ほぼ無限の持続可能な電力を提供する」と付け加えた。

大手テック企業は制約への答えを宇宙に見いだそうとしている

マスクは、AIデータセンターを宇宙空間に建設すれば、施設が太陽から得る太陽光発電を活用できるため、「ランニングコストや保守費用を大幅に抑制できる」と予測している。

グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は昨年末、Fox Newsに対し、軌道上データセンターの建設は「10年ほど」で新たな常識になる可能性があると語った。ピチャイによれば、グーグルは宇宙に打ち上げる衛星に「小型の機械ラック」を搭載してデータセンターの実現可能性を検証し、「そこから規模を拡大していく」という。

大手テック企業は、地上のデータセンターが抱える制約への答えを宇宙に見いだそうとしている。データセンターを適切に運用するには、サーバーを冷却するために大量の水を使う必要がある。また、今後さらに増えると見込まれる大きな電力需要を抱え、広い物理的スペースを必要とする場合もある。こうした要素はいずれも規制政策に織り込まれ、データセンターの新設や拡張を抑える要因になり得るからだ。

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翻訳=酒匂寛

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