地政学リスクが世界規模で高まるなか、超富裕層(純金融資産5億円以上)の資産防衛において重要な役割を果たしているのが、投資助言会社のヘッジファンドダイレクトだ。キーマンふたりに同社の投資助言方針について話を聞いた。
インフレの進行や歴史的な円安に加え、イラン情勢に象徴される地政学リスクの高まりなど、マクロ環境はかつてないほど不確実性を増している。そうしたなか、超富裕層にとって大きな課題となるのが、いかに資産を防衛するかだ。
しかし、日本では個人投資家の資産運用オプションには大きな課題が存在すると、投資助言会社「ヘッジファンドダイレクト」創業者で取締役会長の高岡壮一郎(写真右。以下、高岡)は指摘する。
「個人投資家が証券会社に資産運用の相談をした場合、証券会社にとって手数料が高い金融商品を推奨される可能性があります。また自己流にインデックス等で分散投資をしたところで、リーマンショックのように市場全体が崩れ、すべてのアセットクラスが暴落した際には、どんなに分散投資をしていても自身のポートフォリオに大きな損失が発生します。
だからこそ重要になるのは、外部環境の変化に強いポートフォリオをつくること。そしてそのために必要な金融商品を世界中から探し出し手に入れることなのです。より広い選択肢のなかから自身にとって最適なものを選ぶことが大切です。その意思決定の支援をするのが投資助言会社という業態で、ゲートキーパーと呼ばれています。金融商品の販売手数料ではなく、投資家から頂くアドバイス・フィー(投資助言料)で成立しています」
ヘッジファンドダイレクトは超富裕層・富裕層を対象とした投資助言サービスを2008年から提供し、投資助言実績は累計1,477億円(*1)にのぼる。そのサービスの継続率は91%(*2)と高い水準を維持している。同社代表取締役社長の柿本紘輝(左ページ写真左。以下、柿本)が続ける。
「ゲートキーパーとしての投資助言業者は、ファンドなどからの手数料やバックマージンを一切受け取らないのが大きな特徴です。投資家との利益相反が起こりにくい透明性の高いビジネスモデルと言えます」
投資助言会社であれば、世界中の金融商品を中立的な立場で選定・提案することが可能になり投資家のメリットだけを最大化できる。金融商品の販売手数料を収益源にする証券会社とは異なる発想の原点には、高岡が大手商社在籍時に得た原体験があると明かす。
「総合商社時代に国ごとに産業の発達段階は大きく異なることを知りました。金融業で言えば規制緩和で自由化が先行した英米が日本に比べて20年ほど先行しており、人材や金融テクノロジーの歴史的蓄積がなされていました。その結果として運用成績が優れた金融商品が海外に多く存在する構造が生まれていたのです。その高低差に着目し、海外の金融商品へのアクセスを日本の投資家に開放し、中立的な立場で投資家の意思決定を支援する事業を興しました」
外部環境の変化に強いポートフォリオ構築のノウハウ
ヘッジファンドダイレクトが超富裕層・富裕層に対して提案しているのが、海外ヘッジファンドだ。柿本によると、多くの機関投資家・超富裕層がポートフォリオにヘッジファンドを組み込んでいる。それは、外部環境の変化に晒されるなかでポートフォリオ全体のリスクをコントロールする手段として、ヘッジファンドが有効な選択肢のひとつと位置付けられているためだという。
「不確実性の高い環境では、株式や債券といった伝統的な資産に幅広く分散するだけでは、ポートフォリオ全体の変動を十分に抑えきれない局面があります。そうした局面で重要になるのは、異なる値動きの特性をもつ運用手法を組み合わせ、資産全体のバランスを整えていくことです。その選択肢のひとつとして、多くの富裕層がヘッジファンドを組み入れています。
ヘッジファンドは、市場全体が上昇しているときだけでなく、下落局面や方向感の出にくい局面でも収益機会を探ることができるため、資産全体の変動を抑え、ポートフォリオの安定性を高めるうえで有効な選択肢になりやすいのです。実際、当社のお客様でも、リーマンショックやコロナショックのような下げ相場でリターンを上げてきた実績のあるファンドは根強い人気があり、組み入れを検討する際の重要な判断材料となっています」
実際、欧米では、大学基金や年金基金をはじめとする機関投資家が、分散投資の有力な選択肢として長年活用してきた。例えば米ハーバード大学の基金運用でも、オルタナティブ資産は重要な柱のひとつであり、25年には資産の31%をヘッジファンドに配分している。
株式や債券とは異なるリスク・リターン特性をもつ資産を組み合わせ、外部環境の変化に左右されにくいポートフォリオの構築を目指す考え方は、今やグローバルで広く共有されている。世界におけるヘッジファンドの運用総額は10年で2.7倍の6兆ドルになっている。
このような世界中のヘッジファンドと関係を構築してきたヘッジファンドダイレクトだが、顧客への助言対象とするファンドは、独自の哲学に基づいて選別しているという。
「まず前提として、10年以上の運用実績があることを重視しています。短期的に上昇する商品は確かに存在しますが、その後に下落する可能性も高く、そうした不安定さはお客様にとって大きなストレスになります。受賞歴などを含め、第三者の視点から評価されているかどうかも重要な判断基準です。
また、顧客資産の分別管理が徹底されていることも欠かせません。世界中の金融商品のなかからリスク・リターンといった定量的な観点から総合的にかつ中立的に評価し、そのうえで現在、日本の個人投資家に対してウィンドウが開いているファンドを最終的な助言対象にしています」(高岡)
資産に「耐性」をもつことで、より自分らしい人生を
高岡が目指しているのは、資産防衛という枠にとどまらない。社会全体への波及効果だ。
「不確実性の高い今の世の中では先を予測することは誰にとっても困難です。人は資産のアップダウンを気に病むために生まれてきたわけではありません。資産はお金を生み出しますが、お金は人生を豊かにするための手段にすぎません。外部環境の変化に強い資産運用を行うことで、不安や心配から解き放たれれば、本業の会社経営に集中したり、個人のQOLを高めることができます。安心して自分の好きなことに邁進できる人が増えれば増えるほど、結果として社会全体がより良くなると信じています」
ヘッジファンドダイレクト
https://hedgefund-direct.co.jp/
・投資助言実績1,477億円(*1):当社の投資助言サービスにより顧客が投資決定した投資額の累計(2008年6月~2025年12月末投資決定時・円換算、長期積立投資の場合は総積立期間の投資累計額。1000万円以下四捨五入)。
・継続率91%(*2):当社の投資助言契約に基づく投資に関して2024年度に投資助言対象資産を有するお客様の人数を分母とし、2025年度中(2025年1月~2025年12月末まで)に売却等により投資助言対象資産残高を有しなくなったお客様を除いた人数を分子として除算した百分率です(小数点第二位を四捨五入)。
・本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、金融商品の取得勧誘・販売等を目的としたものではありません。
・本記事で記載された見解や意見の正確性、実現性について、将来に渡ってその内容を保証するものではございません。
・投資によって発生する損益は、すべて投資家の皆様へ帰属します。銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身の判断でなさるようにお願い致します。
ヘッジファンドダイレクト株式会社
金融商品取引業者(投資助言・代理業)関東財務局長(金商)第532号 加入協会:一般社団法人 資産運用業協会



