eBay(イーベイ)は米国時間5月12日、GameStopによる560億ドル(約8兆8300億円)の買収提案を拒否し、取引の実現性に疑問を呈した。数週間前、米ゲーム販売大手であり人気の「ミーム株」でもあるGameStop(ゲームストップ)は、自社の4倍の時価総額を誇るeBayに対する買収提案を行っていた。
eBayはプレスリリースを通じて、GameStopのCEOで億万長者のライアン・コーエンに送付した書簡を公開し、同社の取締役会が提案を検討した結果、これを拒否する決定を下したことを明らかにした。
書簡の中で同取締役会は、GameStopが提示した提案について「信頼性も魅力もない」と結論づけている。
また、取引における潜在的な懸念事項として、買収資金の調達をめぐる「不確実性」や、統合後の企業における「レバレッジ、事業リスク、リーダーシップ構造」などを挙げた。
コーエンは以前、現金と株式を半分ずつ組み合わせた買収資金の一部を賄うために新株発行による増資を行う可能性を示唆していたほか、TDバンクから最大200億ドル(約3兆1500億円)を借り入れる計画を明かしていた。
12日早朝の時間外取引で、GameStopの株価は4.14%下落した。同社株はこの前日に13%以上急騰していたが、この株価急騰の背景として「Roaring Kitty」として知られる人気ミーム株インフルエンサー、キース・ギルによる一連の不可解な投稿が波紋を呼んでいた。現在は削除されているこの投稿はミームコインに関するものだったとみられるが、削除の理由は不明である。
GameStopは5月初め、株式と現金合わせて1株あたり125ドルを支払う買収提案を表明していた。提案の際、GameStopは市場を通じてeBay株の5%を取得したことも公表した。当時、コーエンはウォール・ストリート・ジャーナルに対し、eBayには「はるかに大きな価値」があるはずであり、自身の指揮下であれば「アマゾンの正真正銘の競合」になり得ると語っていた。
提案を受けたeBay側は、GameStopから事前の協議や接触は一切なかったと説明している。しかし、この買収提案に対するウォール街の見方は懐疑的であり、モルガン・スタンレーのアナリストはレポートの中で、市場関係者の多くが「取引の実現可能性を疑うだろう」と指摘していた。
買収提案を公表した後、コーエンはWSJに対し、eBayが提案を却下した場合は委任状争奪戦に踏み切る用意があり、株主に対する直接提案を行うつもりだと語っていた。コーエンはSNS上でもeBayを攻撃しており、買収資金に充てるために靴下などの私物を出品したところ、アカウントを停止されたと主張している。もっとも、これはオンライン上の注目を集めるためのパフォーマンスであると見られている。



