「収益資産を買い続けよ」で知られるベストセラー作家が、個人の状況に合わせた新しい運用のフレームワークを編み出した。日本人にとって最適な戦略とは。
今、注目の若手ウォールストリーターといえば、この人、ニック・マジューリだ。
彼は、『THE WEALTH LADDER 富の階段 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』の著者である。『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(いずれも児島修・訳、ダイヤモンド社)に続き、新著もベストセラーになった。
「収益資産を買い続けよ」という教えが日本の読者に刺さり、前作は、邦訳版出版から2年半余りたった今も売れている。だが、マジューリは、買い続けるという戦術に飽き足らず、人生の段階や資産状況に合わせた投資・支出戦略を編み出した。
「富の階段」を登るには、どうすればいいのか。マジューリに話を聞いた。
──新著では、「買い続ける」という汎用的な戦術ではなく、「富の階段」ごとのアプローチを提示していますね。
ニック・マジューリ(以下、マジューリ):「富の階段」は資産別に全米の世帯を6階層に分け、それぞれ異なる資産形成戦略を提示した新しいフレームワークだ。レベル1~6の階層ごとに、資産形成戦略やリスク、機会などの判断基準を示した。
富の構築とともに、戦略を変える必要があるからだ。豊かさから得られる喜びは直線的ではなく、階段式に増える。
──日本では、全世帯を資産別に5つの階層に分けて分析する方法があります(野村総合研究所、2025年2月13日付ニュースリリース)。世帯数が最も多い、資産3000万円未満の世帯が最下層ですが、「富の階段」では、下位の層が細かく分類されていますね。
マジューリ:「富の階段」に当てはめると、米国では3000万円(約19万ドル)はかなりの金額であり、レベル3(資産10万~100万ドル未満の中流層)だ。
米国のレベル1(資産1万ドル未満の低所得層)は、資産が1万ドル(約158万円)にも満たない。
日本で一番下の階層として一括りにされている3000万円未満の世帯は分割する必要がある。例えば、300万円未満、300万~1500万円未満、1500万~3000万円未満といったところか。
3000万円未満の世帯を3階層に分けると、資産形成の戦略も変わるか? 300万円未満の世帯には、2000万円の世帯とは違う戦略が必要だ。なぜ資産が300万円未満なのか? 仕事がないのか? 状況に合った戦略を立てるべきだ。



