関 美和:現在、新規開業の25%が女性によるもので、私たちも女性起業家支援と女性活躍推進に特化したWPowerファンドを立ち上げました。VCとして最も貢献ができるのは、安全な資金調達の場を提供し、女性起業家に成功してもらうこと。私たちのファンドが高いリターンを実現し、「女性起業家に投資したファンドのほうが結果を出した」という事実をつくれれば、VCも自然と目を向けてくれるはず。この仮説を証明するしかありません。
南里:私たちも証券会社として、Japan Inclusive Ventures Labというプログラムを運営し、女性や多様なバックグラウンドを持つ起業家の支援に取り組んでいます。この取り組みが社会をよりよい方向へ動かす力になると信じているからこそ、その信念を確かな形にし、成果をしっかり社会に広く届けていく責任があると考えています。
芳賀:社会心理学の研究では、女性は平均的に協力や社会貢献を重視する価値観を持つ傾向があると指摘されています。そうした志をもちながら起業には踏み出せていない人がチャレンジできる環境が整えば、経済的な価値だけでなく社会的な価値を生む事業もさらに増えていく。一方で、今あるルールのなかで結果を出す必要もあります。だからこそ、自分の苦手な領域を自覚したうえで、それをチームで補える体制を経営の中に組み込んでいく。その意識をもって取り組んでいきたいと思っています。
高橋:強調しておきたいのは、これは「女性がかわいそうだ」といった感情論的な話ではないということ。男女が半々存在し、頭脳労働においては能力差がないにもかかわらず、一方が十分に活躍できていないのは、社会全体の損失です。バイアスの存在を広く知ってもらうこと自体に意味があると思います。
杉本:シード期の女性起業家は着実に増えています。私たちが事業の成果で証明していけば、女性起業家同士の情報共有のネットワークも自然に形成されていくはずです。投資家からの質問に潜むバイアスの構造を理解し、守りの質問には攻めの回答をする。ギャップを逆手に取るくらいの姿勢で、前向きに挑んでいきたいです。


