無理におべっかを使う必要はありません。会社の同僚なのです。会えば挨拶はするし、自然に思ったことがあれば、口に出して言うのは当然のことだと思います。その一言だけで印象は大きく変わります。
私が大量のコピーを取るのに困っていたら、よくいろいろな人が手伝ってくれました。それ以外にも、私宛のお客様の対応をとても丁寧にしてくれるなど、いろいろなサポートを受けることができました。
日産を退職するときにいただいた寄せ書きに、「岩田さんがかけてくれた一言によく救われていました」と何人か書いてくれていました。
普段から良い関係が築けていれば、本当に助けられることが多くあります。
またそれこそ、役員秘書と親しくなっていたため、「申し訳ないですが、この資料はどうしても急ぎなので!」とお願いすると、決裁書のフォルダの一番上にさりげなく置いてくれたこともありました。
もちろん、簡単に秘書とそんな良い関係を作ることはできません。じっくり時間をかけて、育て上げていく。
例えば私は、出張に行く度に、よくお土産を買っていました。
わざとらしく持っていくと、下心が見え見えですし、変に思われるかもしれない。そこで、お土産はいろいろな部署の分を買っておいて、「たまたま少し多めに買ったので、良かったら」くらいの感じで置いていきました。
そうでなければ、秘書も気を遣ってしまう。お土産を持っていくにも、それなりの気遣いが必要なのです。
周囲が観察できていない人は、まず挨拶から始めなさい
もしかしたら、あなたのまわりにもいるかもしれません。
「どうして、あのタイミングで部長に相談に行くかな」「課長が機嫌悪そうにしているんだから、今はやめたほうがいいのにな」……。
わかる人にはわかるのですが、わからない人にはまるでわからない。
上司からすれば、「もうちょっと気遣いしてくれるといいのになあ」と思わざるを得ない。そんなタイミングがあります。
言い換えれば、「間」や「タイミング」がわからない。まさしく「間抜け」です。しかし、実際にそういう人は少なくないのです。まわりからすると「空気が読めない人」に見えてしまいます。
その「間抜け」を修正するには、どうすればいいか。まずは挨拶を見直すことだと思います。
朝の「おはよう」や夕方の「お疲れ様」は、実はただの挨拶の言葉ではありません。それは、相手に関心を持っていることを示す証。
そして挨拶は、相手をしっかり観察する場でもあるのです。相手がどんな状況なのか、観察する。そして気になれば、一声かける。
ここまでができて、本当の挨拶だと思います。
「挨拶」の言葉の由来は、相手の真意に「心を開いて近づく」「心を押し開く」という深いコミュニケーションを指す、禅宗の問答の言葉にあります。


