経済

2026.05.12 10:30

1973年オイルショックの再来か、株価20年低迷と世界経済破綻の懸念

1973年、オイルショック時の様子(HUM Images/Universal Images Group via Getty Images)

1973年、オイルショック時の様子(HUM Images/Universal Images Group via Getty Images)

1973年のオイルショック後、ダウ平均は40%急落し、後に「失われた10年」と呼ばれる局面へと沈んだ。インフレ調整後では、同指数が回復するまでにおよそ20年を要した。同じことは再び起こり得るのだろうか。

類似点は際立っている。同じ地域、同じ主要な対立勢力、ある意味では同じ政治的動機、そして最も重要なのは、現在進行中の混乱が1973年と規模においても驚くほど似ているという点だ。

数字上、ホルムズ海峡の封鎖により日量2000万バレル、つまり世界供給量の約20%が市場から消えたことになる。これは1973年の石油禁輸で失われた日量約450万バレルのおよそ5倍に相当する。

しかし、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンが指摘するように、1973年の即時的な供給減少だけを比較すると、当時実際に生じた不足分を過小評価してしまうことになる。

「1973年以降、世界の石油供給は中程度にしか減少しなかったが、それまで急速な増加トレンドにあったため、そのトレンドに対して大きな不足が生じた」と彼は最近のSubstackに書いた。

トレンドを考慮して調整すると、1973年の禁輸は1975年までに石油生産量の約17.5%を消し去ったことになり、これは現在の不足分とほぼ一致する。そしてその余波は、数十年にわたって米国をはじめ世界中を苦しめた。

2桁インフレ、大恐慌以来最も深刻な景気後退、第二次世界大戦以来最悪の失業率、そして1990年代までほとんど動かなかった株式市場。

クルーグマンの試算によれば、今日これに相当する景気悪化が起きた場合、今後数年間はマイナス成長、良くてもゼロ成長となり、「世界規模の経済破綻(グローバル・カタストロフィ)」を引き起こすことになる。

「現在、同程度の減速が起きれば、今後2年間の世界経済成長率はゼロまたはマイナスとなり、IMF(国際通貨基金)が現在予測している3%とは大きく乖離する。これは真の意味での世界規模の経済破綻となるだろう」と彼は記している。

しかし、規模は驚くほど似ているものの、2026年は1973年ではない。おそらく最も明白な違いは、ほぼあらゆる指標で見て、世界の石油依存度が1970年代よりもはるかに低下していることだ。

米国は戦略石油備蓄を保有しているだけでなく、石油の純輸出国でもある。他の主要経済国も同様に、はるかに影響を受けにくい状況にある。したがって、イランが世界を脅かせるのは限定的な供給混乱に過ぎない。長期的に見れば、必要量以上の石油を生産している国を石油不足に追い込むことは不可能だからだ。

さらに、今回のオイルショックはイラン単独の行動であるという事実がある。1973年とは異なり、他のアラブOPEC加盟国は米国への禁輸に関心を持っていない。実際、サウジアラビアをはじめとする主要OPEC輸出国は、イランを迂回するパイプラインを通じて石油供給を振り向けている。

今のところ、市場はこれが1973年の再来ではないと考えており、年末までに原油価格は1バレル60ドル前後まで下落し、総合インフレ率への上乗せは約0.7ポイント程度にとどまると予想している。1973年型の混乱とは言えないが、条件が一つある。夏までにホルムズ海峡が再開されなければならないということだ。

forbes.com 原文

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