ツイッターは10月27日、今年第4四半期(10~12月期)の売上高が6億9,500万ドル~7億1,000万ドルになるとの見通しを明らかにした。Yahoo!ファイナンスのアナリスト予想平均は、7億4,000万ドル(約891億円)だった。
ツイッターの新規ユーザー数は伸び悩みが続いており、サービスの魅力を高める能力が疑問視されている。競合のWhatsAppとインスタグラム、フェイスブックの月間アクティブユーザーはそれぞれ、9億人、4億人、15億人に上る。
ジャック・ドーシーCEOは決算発表で「我々はツイッターに加え、ビデオストリーミングアプリのPeriscope、Vine等、有望な事業について組織とロードマップの簡素化を実施した。これらは我が社にとっての最大の成長機会になったと確信している」と述べた。
一方、アナリストの一部は同社に対する失望をあらわにしている。Axiom Capital Managementのアナリスト、ビクター・アンソニーはフォーブスの取材にこう述べた。「ユーザー数の伸びとガイダンス(業績予想)に不安を感じた。決算発表後の電話会議に活気がなかった。成長実現のためのビジョンが示されなかった。」
ただし、同氏は「これが、現在ツイッターが直面する厳しい現実だ」と指摘する一方で、「適切な方策を講じているとは思う」と付け加えた。
ドーシーCEOは決算説明会で、同社が今後1年間に実施する「大胆な」製品の変更はツイッターの主要アプリにとどまらず、Periscope、Vineにも及ぶとの考えを示した。このほか、ツイッターは今月初めに新たに「Moments(モーメント)」と名付けたキュレーション機能の提供を開始したが、同社はこの新機能がユーザー数の増加にどう影響したかを判断するのは時期尚早だとの見解を明らかにした。この新機能は、ユーザーが毎日必ず使うものになり、10億の人々にとってのツールになる、というツイッターが掲げるより大きな目標の一部を担う。
ドーシーCEOは今後の新製品発表の計画についての詳細には触れず、「モーメント」の国外ローンチの時期についても明らかにしなかった。だが、ツイッターが今後、カスタマーサービスの分野に関するより詳細な調査を実施していく方向であること、ビデオストリーミングアプリのPeriscopeが「意義深く、胸が躍るような」ロードマップを作成していることに言及した。
サントラスト・ロビンソン・ハンフリーのアナリスト、ロバート・ペックは、ツイッターがドーシー氏のCEO就任後、ユーザー向けの機能と広告の双方において、新製品の導入のペースを加速させている点を挙げている。
10月5日にCEOに正式就任して以降、ドーシー氏は社内の全部門を対象に8%の人員削減を実施。自身が保有する自社株の3分の1を従業員らに提供した。さらに、グーグル元幹部のオミッド・コーデスタニ氏を新会長に迎えた。そのほか、自ら起業したモバイル決算会社スクエアのCEOとツイッターのCEOを兼務することについて、全力を尽くすと述べている。しかし、スクエアが来月にも新規株式公開(IPO)に向けたロードショーを開始するとみられる中、ツイッターの今後の業績については、不安視する声も上がっている。
ツイッター株は27日、通常取引の終値が1.5%高の31.34ドルとなった。年初来では13%の下落となっている。