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2026.05.12 09:30

「庭園会社」がAI銘柄に変身、中国企業の株価が2年で1600%急騰

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リ・シャオミン(李暁明。52)は約40年前、中国の造園設計会社「ホイリュー・エコロジカル・テクノロジー・グループ(輝綠生態科技集団)」を共同創業し、都市の庭園整備や湖の再生といった生態系プロジェクトを手がけてきた。だが、リを億万長者に押し上げたのは造園ではなく、AIへの巧みな投資だった。かつて苦境にあったホイリューの株価は、この2年で約1600%上昇している。

フォーブスの推計によれば、深圳上場企業の会長を務めるリは、保有株を中心に28億ドル(約4396億円。1ドル=157円換算)の資産を築いた。ホイリューはコメント要請に応じなかった。

中国中部の都市・武漢に本社を置くホイリューは、AI関連部品を製造する未上場企業「トライライト・ウーハン・エレクトロニクス・テクノロジー」への投資を2024年半ばに発表して以来、市場の楽観ムードを享受してきた。同社は光モジュールや光トランシーバなど、AI関連部品を製造している。こうしたハードウェアは、光を用いた信号でデータの送受信を行い、より高速なデータ伝送を可能にするため、現在のAIデータセンターで広く採用されている。

ホイリューは2024年に1億9500万元(約45億円。1元=23円換算)を投じてトライライトの株式30%を取得した。規制当局への提出資料によると、造園設計会社である同社はさらに3億1000万元(約71億円)を投資し、現在は持ち分を51%まで引き上げた。2025年9月の提出資料によれば、現金と株式を組み合わせた11億3000万元(約260億円)の取引で残る49%の持ち分も取得する意向だ。

これを受け、ホイリュー株は急騰した。2024年の初回投資後に始まった約1600%の上昇により、ホイリューの時価総額は約500億元(約1.15兆円)に達している。光モジュールや光トランシーバーなどの光通信部品への需要増を背景に、投資家はさらに楽観できる理由を見いだすかもしれない。インド・ハイデラバード拠点の市場調査会社モーダー・インテリジェンスによると、光トランシーバーの世界市場はAIによるブームを受け、2026年の154億ドル(約2.42兆円)から2031年には293億ドル(約4.6兆円)へとほぼ倍増する見通しだ。

一方、トライライト創業者のポン・カイション(彭凱盛)は2026年2月、ホイリューとの提携は、生産拡大に必要な資本とリソースを得ることを意味すると、国営メディア「セキュリティーズ・タイムズ」に語った。ホイリューの支援を受け、トライライトは武漢本社から車で約1時間の距離にある鄂州で、工場の第2期工事に取り組んでいる。

米国上場の光電部品メーカー、コヒーレントによると、建設が2027年末に完了すれば、光通信製品を年間450万台生産できるようになるという。セキュリティーズ・タイムズが報じた。

2024年の提出資料によれば、ホイリューは広範な調査を行ったうえでトライライトへの投資を決めた。年次報告書の簡単な紹介によると、リは自社設立前、中国海軍の舟山基地で勤務していた。

ホイリューは2005年に損失拡大を受けて上場廃止となった後、2021年に深センで再上場した。だが、中国の細分化された造園設計市場のシェアを巡り大小の企業が競合する中で株価は再び停滞した。ホイリューの年間売上高は2021年の7億7500万元(約178億円)から2024年には5億8700万元(約135億円)へと減少した。同年の純利益は、3年前の8000万元(約18億4000万円)から6500万元(約15億円)へと減っている。

しかし、現在子会社となったトライライトの売上を反映すると、2026年1〜3月期の売上高は前年同期比25.2%増の3億8660万元(約89億円)となった。取引所への提出資料によれば、純利益は前年から4分の1減の1490万元(約3億4000万円)に落ち込んだ。提出資料で同社は、この縮小の原因は為替差損と、造園設計事業の売上減少だとしている。

forbes.com 原文

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