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2026.05.15 13:30

「才能」より「場」から生まれる福岡が示すイノベーションの3要素:マクアケ 中山亮太郎

イノベーションはなぜ、特定の地域に生まれやすいのか。福岡滞在で感じた、都市に変化を生み出すための条件とは。マクアケ創業者による連載第63回。


先日、福岡県が主催するイベントで、スタートアップや研究者が集まるイノベーション拠点を世界各地で展開する CIC(Cambridge Innovation Center)の創業者であるティム・ロウ氏と話す機会があった。CICは1999年に米ケンブリッジで創設され、HubSpot(マーケティング支援ソフトを手がける企業)やAndroidなどの成長初期とも接点をもってきた。そこで私は「イノベーションが起きる地域は、どう生まれるのか」という問いに対するひとつの答えに触れた気がした。

東京を除けば、福岡市は日本でイノベーシするゲーム会社も全国的な存在感を放ってきた。こうした取り組みが、エンジニア同士のネットワークと挑戦の文化を地域に根付かせたのだ。つまりこの地域は、突然イノベーション都市になったのではなく、技術やコンテンツの挑戦が点ではなく面で積み上がってきた場所なのである。イノベーションが起きやすい3つの要素ティム氏が言うには、イノベーションが起きやすョンやスタートアップの話題になると、真っ先に名前が挙がる都市だ。

2012年の「スタートアップ都市ふくおか」宣言を起点に、スタートアップカフェや官民連携の支援施設Fukuoka Growth Next(FGN)などが生まれ、創業支援の取り組みは継続的に積み重ねられてきた。FGNは旧小学校の校舎を活用して2017年に開設され、これまでに延べ約400社のスタートアップが入居してきたという。昨年には、福岡市が進める都心再開発プロジェクト「天神ビッグバン」の一環として整備が進む大型複合ビルONE FUKUOKA BLDG.にCIC Fukuokaも開設され、地域のイノベーション創出の密度はさらに増している。福岡は、こうした世界的なイノベーション拠点の考え方を受け入れる段階に来ているのだろう。

福岡・九州には、昔からその土壌があったようにも思う。福岡県は長年、IT分野の開発者が集い技術や成果を共有する場として「フクオカRuby大賞」や「福岡県Rubyフェスタ」などを通じてコミュニティを育ててきたし、レベルファイブなど福岡を本拠とするゲーム会社も全国的な存在感を放ってきた。こうした取り組みが、エンジニア同士のネットワークと挑戦の文化を地域に根付かせたのだ。つまりこの地域は、突然イノベーション都市になったのではなく、技術やコンテンツの挑戦が点ではなく面で積み上がってきた場所なのである。

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文=中山亮太郎 イラストレーション=岡村亮太

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