アマゾンで学んだ「採用のメカニズム」
時計の針を少し戻そう。私は2007年から2015年まで、当時は渋谷に本社のあったアマゾンにいた。 そこではハイヤリング・マネジャーとして、あるいは様々なポジションの面接官として、数えきれないほどの採用に関わる機会をもらった。
アマゾンの採用は、徹底的に科学されている。
ハイヤリング・マネジャーが自分が採用したいポジションの予算確保から始まるのだが、晴れて予算確保できたらその後、そのポジションの職務記述書(Job Description )を書く。どのような職務をやってもらいたいのか、そのためにはどのような経験を持っていてほしいのか… 的確に認めるのだ。
また採用の流れもメカニズムが働いている。まずはハイヤリング・マネジャー、その後ポジションごとに組成するインタビュー・ループ (どの角度で誰が面談するのか)を決めて、ハイヤリング・マネジャーが1次を通したら、多面的なアプローチで複数の目で見て面談をし、最終的には、ハイヤリング ・ミーティングを開いて判断する。
その流れの中には バー・レイザーという採用の砦を置き…とまだまだあるのだが、ここでは一旦スキップして、また他の機会にご紹介したい。
「OLP(リーダーシップ・プリンシプル)」と呼ばれる行動指針があり、候補者がその要素を持っているかを見極めるために、精緻に設計された質問を投げかける。過去の行動事実を深掘りし、データと論理で「再現性」を確認する。
あのハイヤリング・プロセスにおける鍛錬は、間違いなく世界最高峰のメカニズムだったし、今の私の血肉にもなっている。
だから、自分の会社を立ち上げた当初も、頭のどこかにあの「定規」があった。スキルは? 経験は? OLPに照らし合わせると?
でも、ある時ふと気づいたのだ。 今の僕たちが求めているのは、完成された歯車ではなく、まだ見ぬ景色を一緒に面白がれる仲間なのだと。


