2. ぼんやりする
休憩が甘えと見なされる一方で、ぼんやりすることは全くダメなことととらえられがちだ。仕事中に注意がそれることは通常、自制心の欠如と見なされ、できるだけ早く是正されるべきものとされる。しかしこの見方も誤りであることが研究で指摘されている。
専門誌『Current Opinion in Behavioral Sciences』に2019年に掲載されたレビューでは、ぼんやりすることと創造的思考の間にかなり共通点があることが詳述されている。どちらも自発的にアイデアを育み、その後アイデアを評価・洗練するという2段階のパターンをたどると指摘されている。実際、私たちが「心ここにあらず」と呼ぶもののほとんどは斬新な考えが生まれる過程であり、それらは後に有用な洞察へと変わる可能性がある。
これは「常に集中しているべき」というモデルとは対照的だ。もちろん、意識的に常に集中状態を維持しようと努めることは、タスクを効率的に遂行する上で役立つかもしれないが、アイデアが湧き出るのを著しく制限してしまう。新しいアイデアを生むのではなく、既存のアイデアを磨き上げることに終始してしまう。やがて思考は硬直化し、創造性の停滞を招く。
一方で、意図的にぼんやりすることは、ワークフローに変化をもたらす効果的な方法だ。これにより脳は予想外のつながりを生み出し、一分の隙もない集中状態では通常あり得ないような概念の結びつけができる。この習慣は執筆や問題解決、ブレインストーミング、長期計画など独創的で戦略的な活動において特に効果的だ。
仕事中にぼんやりできるようにするのに必ずしも仕事の枠組みを完全に変える必要はない。ゆとりの時間をスケジュールに組み込むだけでいい。根拠がないように思えるかもしれないが、実践するのは簡単だ。例えば、ぼんやりできる次のようなことをする忙しくない時間を意図的に確保するといい。
・散歩
・シャワー
・通勤(車、電車、自転車など)
・単純で反復的な作業(落書き、皿洗い、フィジェット遊びなど)
問題に行き詰まったら、無理に解決しようとするより一旦その場から離れる方が確実に効果的だ。なぜなら、戻ってきたときには新たなアイデアを吟味する検討モードになっているからだ。生産性とはぼんやりすることと磨くことの組み合わせから生まれるものであり、どちらか一方だけでは得られないというのがポイントだ。


