欧州

2026.05.12 07:00

亀裂深まる軍事同盟CSTO、議長国ロシアが会合を開催へ

集団安全保障条約機構(CSTO)首脳会合に先立ち、カザフスタンの首都アスタナで会談した同国のカシムジョマルト・トカエフ大統領(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(中央)。2024年11月27日撮影(Contributor/Getty Images)

集団安全保障条約機構(CSTO)首脳会合に先立ち、カザフスタンの首都アスタナで会談した同国のカシムジョマルト・トカエフ大統領(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(中央)。2024年11月27日撮影(Contributor/Getty Images)

ロシアが主導する軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」は26日、首都モスクワで会合を開く。同会合には、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの代表者らに加え、CSTOのターラトベク・マサディコフ事務総長も出席し、加盟国間の集団安全保障の強化について協議する。

1月にCSTOの議長国を引き継いだロシアが同会合を主催する。同国のウラジーミル・プーチン大統領は、CSTO集団安全保障理事会の議長も兼任している。

ロシアとアルメニアの間で高まる緊張

一方、CSTO加盟国であるアルメニアは今月初め、欧州連合(EU)の代表団を首都エレバンに招いて首脳会合を開催した。両者は貿易関係と安全保障協力の強化に向けた協力協定に署名した。共同声明では、アルメニアの持続可能な民主主義への取り組みや、交通、エネルギー、デジタル分野での協力がうたわれている。声明によると、EUによるアルメニアへの投資額は25億ユーロ(約4600億円)に達する見通しだ。

アルメニアのニコル・パシニャン首相はEUとの首脳会合にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を招待した。会合の中で、パシニャン首相とゼレンスキー大統領は、両国間の協力の重要性について協議した。

アルメニアはCSTOの創設時から加盟していたが、同機構やロシアとの関係はここ数年、悪化している。アルメニアは2020年と23年、係争地ナゴルノカラバフでアゼルバイジャンから攻撃を受けた。アルメニアはロシアとCSTOに支援を要請したが、いずれも同国のために軍事介入することはなかった。これに対し、パシニャン首相はCSTOが「アルメニアに対する義務を果たしていない」と非難。同首相は24年2月、アルメニアの同機構への参加を凍結した。パシニャン首相は西側諸国との協力を拡大する方針も打ち出しており、ロシアとの溝が深まっている。

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、アルメニアがEUやウクライナと首脳会合を行ったことを非難した。同報道官は、パシニャン首相がゼレンスキー大統領を招いて会談したことは「理解しがたい」と述べた。また、EUとの共同宣言を批判し、両者の協力は「アルメニアがEUの反ロシア路線に巻き込まれることになる」と指摘した。

ザハロワ報道官の発言に対し、パシニャン首相は、ウクライナ侵攻を巡っては、アルメニアは「ロシアの同盟国ではない」と明言した。同首相は9日にモスクワで行われた旧ソビエト連邦の対ドイツ戦勝記念日の軍事パレードにも出席しなかった。

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翻訳・編集=安藤清香

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