欧州

2026.05.12 07:00

亀裂深まる軍事同盟CSTO、議長国ロシアが会合を開催へ

集団安全保障条約機構(CSTO)首脳会合に先立ち、カザフスタンの首都アスタナで会談した同国のカシムジョマルト・トカエフ大統領(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(中央)。2024年11月27日撮影(Contributor/Getty Images)

カザフスタンも「ロシア離れ」を加速

ロシアとの問題を抱えているCSTOの加盟国はアルメニアだけではない。カザフスタンも西側諸国や国際機関との関係を強化しつつ、ロシアから徐々に距離を置いている。この動きは、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻を開始して以降、目立っている。これにより、カザフスタンには数百万ドル規模の海外投資が流入している。

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同国は今年に入り、西側諸国との関係をさらに強化している。米国のマルコ・ルビオ国務長官は先月15日、カザフスタンのセリク・ジュマンガリン副首相兼国民経済相、エルジャン・カズィハン米担当特別代表、マグジャン・イリヤソフ駐米カザフスタン大使と会談した。会談では、両国の外交・経済関係の強化の重要性について議論された。同月23日にはEUの代表団がカザフスタンの首都アスタナを訪れ、中央アジア諸国の代表者と会談し、水資源の確保や再生可能エネルギーへの移行、気候変動対策について協議した。米国とEUによる投資は、カザフスタンが西側諸国との関係を重視していることを示している。

カザフスタンはロシアから徐々に距離を置きつつ西側諸国との関係を強化しているほか、一部の政治問題でCSTOとは異なる姿勢を取っている。例えば、カザフスタン政府は、ウクライナ東部で一方的に独立を宣言した親ロシア派武装集団「ドネツク人民共和国」と「ルハンシク人民共和国」を承認していない。さらに、ロシアによる軍事侵攻が続く中、カザフスタンはウクライナに人道支援を送っている。カザフスタンはウクライナへの派兵も拒否している。

他方で、カザフスタンは26日にモスクワで開かれるCSTOの会合には出席する予定だ。同国は今年後半に予定されているCSTOの合同軍事演習も主催する。

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こうした情勢を踏まえ、ロシアは26日のCSTO会合が、同機構内の緊張緩和につながることを期待している。アルメニアは出席しないが、ロシアはCSTOの立場を強化することを目指している。同国は議長国として、CSTO加盟国は「多極化する世界における集団安全保障」の実現に向けて「共通の目標と責任」を担っていると表明している。この会合は、11月11日にモスクワで開催予定のCSTO首脳会議に向けた重要な準備会合でもある。だが、両会合がどのように展開し、ロシアが分裂の兆しを見せる同機構を維持できるかどうかは、依然として不透明だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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