食&酒

2026.05.14 10:15

カレー1食362円に値上がり。10年で100円増のカレーショックが家計に影

日本の家庭の味として親しまれるカレーライスから、現在の物価動向を読み解く指標として定期的に公開されている帝国データバンクの「カレーライス物価指数(2026年基準改定)」。最新調査によると、2026年3月のカレーライス物価は1食あたり平均362円となった。前年同月の339円と比較すると、金額にして23円、率にして6.8%の上昇を記録。過去10年間で1食あたりの価格は約100円、4割ほど上昇した計算であり、長期的には食卓への負担が増し続けている実態が浮き彫りとなっている。

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もっとも、過去最高値を更新した2026年1月の370円からは8円低下し、2カ月連続で前月を下回る結果となった。値上げ幅も2024年7月以来の低水準にあり、食卓における急ピッチな物価高はピークアウトの兆しを見せている。2020年平均を100とした「カレーライス物価指数」は139.8となり、5カ月ぶりに140の大台を下回った。

 

内訳を詳しく見ると、コスト抑制に寄与しているのはお米だ。政府による備蓄米の放出や最新年度産米の流通が需給を落ち着かせ、最高値から1割前後値を下げている。一方で、お米によるコスト低下を相殺しているのが具材の高騰だ。ジャガイモやタマネギなどの主要野菜は、前年の高温や干ばつによる生育不良の影響が続き、平年を上回る高値が継続。肉類も中東情勢の悪化に伴う輸入価格の上昇や、飼料高の影響を受けた国産豚肉・鶏肉の価格が高止まりとなっている。メニュー別では「チキンカレー」が前年比10.2%増と最も高い上昇率を記録した。

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今後の展望については、2026年4月の予測値が361円前後と、さらなる微減が見込まれている。2025年内に見られた「カレーショック」とも呼べる激しい価格変動は、いったん落ち着きを見せる見通しだ。しかし、中東情勢の今後の展開次第では、原油やナフサの価格上昇が、物流費や資材費を通じて食品価格へ波及する懸念が強まっている。お米の価格安定が寄与する一方で、エネルギー価格の上振れが夏以降に再び物価を押し上げる可能性は高く、食卓のコスト管理には引き続き注視が必要となりそうだ。

出典:帝国データバンク「カレーライス物価指数(2026年基準改定)調査」より

文=飯島範久

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