北米

2026.05.11 09:00

米海軍、現役最古の強襲揚陸艦も就役期間延長 「運用寿命」最長53年まで延命模索

大西洋を航行する米海軍の強襲揚陸艦「USSワスプ(LHD-1)」。奥はドック型輸送揚陸艦「USSニューヨーク(LPD-21)」と「USSサン・アントニオ(LPD-17)」。2011年8月31日撮影、米海軍提供写真(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Arif Patani, Public domain, via Wikimedia Commons)

大西洋を航行する米海軍の強襲揚陸艦「USSワスプ(LHD-1)」。奥はドック型輸送揚陸艦「USSニューヨーク(LPD-21)」と「USSサン・アントニオ(LPD-17)」。2011年8月31日撮影、米海軍提供写真(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Arif Patani, Public domain, via Wikimedia Commons)

米海軍は今年に入り、現役最古の原子力空母「USSニミッツ(CVN-68)」の就役期間を少なくとも来年3月まで延長することを明らかにした。これを受け、当初今月を予定していたニミッツの退役は先送りされたが、就役期間の延長が見込まれる米海軍艦艇はニミッツだけではない。

現役最古の強襲揚陸艦「USSワスプ(LHD-1)」も、このほど5年間の就役延長が認められた。そして、他のワスプ級強襲揚陸艦にも同様の対応がとられる可能性がある。

米海軍作戦本部(OPNAV)遠征戦担当部長のリー・マイヤー准将は4月末、米首都ワシントンで開催された海兵隊向け防衛展示会「Modern Day Marine(MDM)」の会場で、「海軍作戦部長(CNO)がUSSワスプ(LHD-1)の就役期間延長を承認した」と述べた。

「同艦はワスプ級強襲揚陸艦の1番艦で、蒸気タービン艦だ。延長期間は2034年までの5年間となる。他のLHD(多目的強襲揚陸艦)についても、延長が可能か検討する必要があり、そのための計画を進めていく」という。

飛行甲板を持つ「空母型」のワスプ級強襲揚陸艦は、建造された全8隻のうち7隻が現役だ。残る1隻「USSボノム・リシャール(LHD-6)」は2020年7月に火災に見舞われ、深刻な損傷を受けて退役を余儀なくされた。

現行計画では、老朽化したワスプ級を順次、最新鋭のアメリカ級強襲揚陸艦に置き換えることになっているが、米海軍の他の建造計画の例にもれず、現在建造中のアメリカ級2隻は計画に遅延が生じている。3番艦「USSブーゲンビル(LHA-8)」は艤装段階までこぎつけたものの、今年8月を予定していた引き渡しは延期され、就役は早くとも来年以降になる。また「USSファルージャ(LHA-9)」も当初の計画からすでに1年遅れており、就役は2031年以降にずれ込む見通しだ。

「運用寿命40年」を見直し、最長53年まで

艦隊規模の拡大に向けた取り組みの一環として、米海軍は現在、通常動力型の強襲揚陸艦の運用期間を延長する方法を模索している。想定運用期間は40年だが、これを46年まで、できれば53年まで引き延ばしたい方針だ。ワスプの就役は1989年なので、5年の運用延長が実現すれば2034年まで現役を続行することとなる。

しかし、艦艇の運用を継続するといっても、それは単に予定の退役時期を繰り延べるだけでは済まない。

米海軍専門紙ネイビー・タイムズが報じているように、米海軍の強襲揚陸艦部隊は「数々の問題に直面」しており、特にワスプ級では3隻がトラブルに見舞われている。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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