北米

2026.05.11 09:00

米海軍、現役最古の強襲揚陸艦も就役期間延長 「運用寿命」最長53年まで延命模索

大西洋を航行する米海軍の強襲揚陸艦「USSワスプ(LHD-1)」。奥はドック型輸送揚陸艦「USSニューヨーク(LPD-21)」と「USSサン・アントニオ(LPD-17)」。2011年8月31日撮影、米海軍提供写真(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Arif Patani, Public domain, via Wikimedia Commons)

「USSボクサー(LHD-4)」は少なくとも2022年から、主に機関部と推進システム周りの信頼性に重大かつ継続的な課題を抱えている。このトラブルは極めて深刻で、2024年には展開を開始してわずか10日で舵と機関に不具合が見つかり、帰港を余儀なくされた。同年、ワスプも機関トラブルに見舞われて単軸航行で帰港せざるを得ず、展開計画に遅れが生じた。

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問題は水陸両用艦隊の全体に及んでいる。

米政府監査院(GAO)は2024年の報告書で、強襲揚陸艦(LHD/LHA)やドック型揚陸艦(LPD/LSD)など米海軍が擁する揚陸艦32隻のうち、半数が整備の遅れにより港に留まったままのことが多く、いつでも展開可能な状態なのは半数しかないと警告していた。

今回の就役期間の延長は、ほんの2年前に米海軍当局者が示唆していたのとは真逆の方針だ。GAOの報告書は「経費削減のため、海軍は一部艦艇の早期退役を提案し、対象への重要な整備を中止した。しかし、新造艦の建造を待つ間は引き続き、十分な整備を受けていないこれらの艦艇に依存している」と述べている。

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大西洋を航行する米海軍の強襲揚陸艦「USSワスプ(LHD 1)」。2011年8月31日撮影、米海軍提供写真(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Arif Patani, Public domain, via Wikimedia Commons)
大西洋を航行する米海軍の強襲揚陸艦「USSワスプ(LHD 1)」。2011年8月31日撮影、米海軍提供写真(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Arif Patani, Public domain, via Wikimedia Commons)

米海軍が老朽化した艦艇の退役を図る一方で、米連邦議会は別の計画を進めていた。2023年国防権限法は第1023条で、「大型甲板」を備えたLHA/LHD型の強襲揚陸艦少なくとも10隻とLPD/LSD型のドック型揚陸艦、合わせて31隻以上を擁する水陸両用艦隊を維持することを米海軍省に義務付けている。

ところが、後継艦の就役が遅れているため、米海軍は退役させようとしていた艦艇の就役期間を延長せざるを得ない状況にあるのだ。

その背景には、米海軍において世界の紛争地域へ即時展開可能な大型原子力空母が不足しており、穴埋めにLHA/LHD型強襲揚陸艦が「軽空母」として活用される場面が増えていることが挙げられる。

今年3月、前方展開戦力のアメリカ級強襲揚陸艦「USSトリポリ(LHA-7)」は中東へ派遣され、米軍の対イラン軍事作戦「エピック・フューリー」を支援した。これに先立ち1月にはワスプ級強襲揚陸艦「USSイオー・ジマ(LHD-7)」が、ベネズエラで米軍が拘束したニコラス・マドゥロ大統領の米ニューヨークへの移送を支援し、注目された。イオー・ジマは6月に米バージニア州のノーフォーク海軍基地で近代化プログラムに着手する予定だ。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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