マーケティング

2026.05.10 09:52

CEOの評価が急変、マーケティングは「成長エンジン」から「経費項目」へ──CMO役割の再定義が急務

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1年前、CEOの65%がマーケティングを利益の源泉と評価していた。今年、その数字はわずか40%にまで縮小した。わずか12カ月の間に、マーケティングは成長エンジンから経費項目へと変貌を遂げたのだ。

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この驚くべき調査結果は、2026年1月に米国の主要企業150社のCEOを対象に実施された、第5回年次Boathouse CEO調査によるものだ。この結果は、CMO(最高マーケティング責任者)がこれまで以上に期待に応えているように見えるにもかかわらず、マーケティングの信頼性が低下していることを示唆している。

CMOは要求に応えたが、評価は低下

経営陣との連携や忠誠心のほぼすべての指標において、CMOは過去5年間で最高水準に達している。回答したCEOの目から見て、79%が CEOおよび取締役会に対する強いコミットメントを示しており、これは調査史上最高の数字だ。71%が自部門の利益よりも企業全体の利益を優先しており、長年の懐疑的な見方を覆している。85%が組織内で信頼を構築する存在と見なされている。

しかし、いくつかの問題の兆候も見られる。今年、CEOから「A」評価を受けたCMOはわずか15%で、1年前の24%、2年前の26%から減少している。54%が「平均的」と評価された。CMO職全体に対するCEOの信頼度は43%に低下した。

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データが示すのは、良きパートナーとしては向上したが、良き投資対象としては評価が下がった役職の姿だ。

CMOにとってのAIの罠

AIに関するデータは、状況をさらに悪化させている。CMOは他のどの経営幹部よりも4倍、AIのROI(投資収益率)に対する説明責任を負わされている。しかし、同じCEOの46%が、自社のCMOのAI能力を「C」以下と評価している。「A」評価を与えたのはわずか6%だった。

端的に言えば、調査結果はCMOがAIによる成果を出すことを期待されているが、それを実行する能力があるとは見なされていないことを示唆している。そして、マーケティングにおける実際のAI活用は、分析(69%)、顧客体験(67%)、コンテンツ(63%)といった業務面に偏っている。AIの戦略的活用は、わずか1年で63%から36%に減少した。

CEOは、AIが効率化だけでなく成長を推進することを望んでいると述べている。54%が両方を期待している。しかし、彼らはマーケティングが既存業務を高速化するためにAIを使用し続けており、新たな収益源を開拓していないと考えている。このCEOの期待とCMOの実行の間のギャップが、マーケティングが利益の源泉としての地位を失っている理由の1つかもしれない。

CMOとCEOの連携だけでは不十分な理由

「CMOはシステム内部で高度に連携する実行者となったが、企業価値を独立して推進する存在ではなくなった」と、調査を実施したBoathouse社のCEO、ジョン・コナーズ氏は述べる。「連携は第一歩だった。今やCMOは、チャネルのパフォーマンスではなく、企業価値を証明しなければならない」

長年の通説では、CMOはCEOに近づき、財務の言葉を話し、取締役会と足並みを揃える必要があるとされてきた。データは、CMOがそれを実行したことを示唆している。マーケティング責任者の損益計算書への理解に対するCEOの信頼度は72%で、61%から上昇した。CMOによる取締役会へのプレゼンテーションは増加している。指標に関するCMOとCFO(最高財務責任者)のパートナーシップは、CEOの3分の2が効果的と評価している。

こうした明らかな進展にもかかわらず、コストセンターへの再分類は止まらなかった。

何が変わったのか。調査はヒントを提供している。CEOとCMOの間の議論は、アイデアや戦略から離れ、指標とパフォーマンスに向かってシフトしている。CEOは依然として、CMOを戦略的アドバイザー(43%)というよりも実行リーダー(57%)として主に見ている。そして、CEOの40%が、戦略と企業成長を推進する能力について、自社のCMOに「C」以下の評価を与えている。

CMOは連携を強化したが、影響力を失った。

CMOは何を変えるべきか

CEOの85%がCMO職は5年後も存在すると考えていることは、この職務自体がなくなるわけではないことを示している。しかし、データはその範囲が狭まる可能性を示唆している。自社のCMOが企業戦略を主導していると答えたCEOはわずか8%で、自社のCMOにCEOとしての資質があると考えているのはわずか36%だ。

マーケティングがコストセンターと見なされる傾向を逆転させるCMOは、ダッシュボードと四半期レビューに注力する人々ではない。指標優先の会話に異を唱え、CEOに予想外のものをもたらす意欲のある人々だ。例えば、成長の源泉を再定義する新たな市場ナラティブや、CEOが検討していないAI戦略などだ。

Boathouse調査はCMO職を5年間追跡してきたが、トレンドラインは明確だ。戦略的価値を主張することなく連携の最適化に注力するマーケティングリーダーは、好かれるが資金不足に陥る。

forbes.com 原文

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