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2026.05.09 12:30

プーチンの戦勝記念パレード、安全確保は米国仲介のウクライナ停戦に依存

Photo by Contributor/Getty Images

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ロシアが毎年実施する戦勝記念日(Victory Day)のパレードは、長らく強さを誇示するために演出されてきた。戦車は赤の広場を進み、戦闘機は頭上を轟音とともに飛ぶ。それは軍事儀式というより、1945年以降のロシアの力という観念を軸に構築された政治的な儀礼である。しかし2026年は、空気が違う。

警備措置を強める、モスクワの戦勝記念日パレード

BBCは2026年5月7日、今回のパレードでは約20年ぶりに赤の広場に軍事装備が登場しない見通しだと報じた。「我々の戦車は今忙しいのだ」とロシア下院議員エフゲニー・ポポフはBBCに語った。「我が方の戦車は今、忙しい。戦っている。赤の広場よりも戦場で必要だ」。

モスクワが公に発している警告や警備措置からは、ウクライナが5月9日の式典に関連する行事を標的にする可能性への懸念がうかがえる。ロイターによれば、ロシア外務省は、ウクライナの攻撃がパレードを混乱させた場合には報復すると公然と警告した。報道では、ロシア当局がキーウ駐在の各国外交団に対し、ロシア軍が大規模な攻撃を実施する事態に備えて職員を退避させる準備を進めるよう要請したという。

ウクライナの人々は長年、ロシアのミサイルやドローン攻撃という恒常的な脅威の下で暮らしてきた。ウクライナ各地の公のイベントは縮小されるか、地下へ移された。大規模な集会は標的となり得る。現在モスクワが同様の予防策を講じている。

通信制限と外国メディア認定取消、15地域でパレード中止

ロシアメディアの報道によれば、警備上の理由から、パレード期間中はモスクワでモバイルインターネットとSMSサービスが制限される見通しだ。ロシア当局者は、こうした措置は攻撃の可能性から公の行事を守るためだとしている。ドイツのデル・シュピーゲルは5月7日、クレムリンが5月9日のパレードについて、シュピーゲルなど外国メディアの認定を取り消し、ロシアメディアのみ出席を認めたと報じた

クリミアのロシア占領当局も、ウクライナのドローン攻撃が激化する中で安全上の懸念があるとして、戦勝記念日のパレードや主要な公共行事を中止した。独立系ロシアメディアASTRAは、少なくともロシアの15地域が5月9日のパレードを中止したと報じた

招待客の顔ぶれも寂しいものに見えた。ウォール・ストリート・ジャーナルの国際担当チーフ特派員ヤロスラフ・トロフィモフはXに次のように投稿した。2025年は中国の習近平国家主席が出席した一方で、2026年に見込まれる海外要人ははるかに少数にとどまり、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領のほか、規模の小さい国々や承認の限定的な地域・組織の指導者数名が含まれるにすぎないという。

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