若手世代が求めているのは「別の対話」
一方で、調査からは若手世代がコミュニケーション自体を拒絶しているわけではないことも見えてきた。

彼らが求めているのは「アルコール越しの抽象的な本音」ではなく、「シラフで向き合い、自分の価値観や貢献を正当に承認してくれる時間」であるという。
また形式的な親睦よりも、短時間でも質の高い1on1のほうが信頼関係の構築につながるという傾向も示された。会社行事に「参加する・しない」そのものより「参加しないことで評価が下がるのではないか」という空気感のほうが、若手世代にとっては大きなストレスになっているようだ。
飲み会1時間より、シラフの15分が大事
こうした結果を受け、スーペリアは「令和型チームビルディング」の3原則を提案している。
1つ目は「アルコールの1時間」よりも「シラフの15分」を重視すること。週1回・15分程度の1on1を定期化し、短時間でも継続的に対話を行うことが重要だとしている。
2つ目は社内イベントを「完全選択制」にすること。不参加によって評価へ影響しないことを明文化することで、心理的安全性を高める狙いがある。
3つ目は「感情のデジタルログ化」。日々の小さな変化や意欲低下を可視化し、離職リスクを早期に察知する仕組みづくりを提案している。
スーペリア代表取締役の曽我香織氏は「お花見スルーという現象の裏には、組織が見落としている“意欲の喪失”という課題が隠れている」とコメント。対話を「組織の資産」として捉え直す必要性を訴えている。
かつては「飲み会に誘うこと」が部下への気遣いや関係を深めるための行動でもあった。しかし今は距離を縮めることより、安心して働けることのほうが優先順位として高くなっている。
若手世代は職場との関係を切りたいわけではない。「酒の勢い」や「空気」で関係を築くよりも、普段の対話や納得感を重視する傾向が強いだけだ。このことを今一度、組織全体で共有する必要があるだろう。


