健康

2026.05.14 08:45

怠けではなく「病気」の可能性。睡眠時無呼吸症候群が及ぼす仕事への代償

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春の陽気が心地よく、ついウトウトとしてしまう。古くから「春眠暁を覚えず」と言われるように、この時期の眠気は自然な現象と捉えられがちだ。しかし、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中に耐えがたい眠気に襲われるのであれば話は別。その背後には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という深刻な病が潜んでいる可能性がある。単なる疲れや気合不足と片付けてしまいがちな眠気が、実は社会生活を脅かすサインであるという事実に目を向けるべきだろう。

一般社団法人いびき無呼吸改善協会によるSASと診断された当事者を対象とした調査によれば、診断を受ける前から日中に強い眠気を感じていた人は約9割(90.6%)に達する。その内訳をみると、眠気が「ときどきあった」人が59.8%、「よくあった」という人も30.8%にのぼる。本人は眠っているつもりでも、睡眠中に呼吸が止まることで深い睡眠が妨げられ、脳や身体が十分に休まっていないためだ。

眠気を感じる具体的な場面として最も多いのが、会議中やデスクワークなどの仕事中(27.8%)だ。次いで食後(18.8%)やテレビの視聴中(14.4%)が続くが、注目すべきは「運転中」に眠気を感じている人が7.9%存在すること。集中を要する業務中や、命に関わる運転中の眠気は、個人のパフォーマンス低下のみならず、重大な事故に直結する社会的リスクを孕んでいる。

仕事への影響も無視できない。31.9%が仕事や学業の集中力が続かないことを訴え、13.0%がミスの増加を実感している。さらに深刻なのは、約2割にあたる17.6%が「日常生活が辛い」と感じるほど追い詰められている点。気分の落ち込みやイライラといったメンタル面への悪影響(8.8%)は、周囲とのコミュニケーションや自己肯定感にも影を落とす。

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文=飯島範久

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