職場で真に評価を得るには
多くの企業において、評価を得る条件は、必ずしも実質的な貢献だけでなく、「シグナルの明確さ」だ。「目につく瞬間」を作り出す者は、他の人より目立って見える。決断を下す、今の方向性に異を唱える、あえて不明瞭な状況に足を踏み込むといった彼らの行動は、他のメンバーにとって「記憶の参照点」を作り出す。
これは、「あつれきを生む者が報われる」という話ではない。しかし、周囲に注目してもらうには、ある程度のレベルの中断や混乱がきっかけになることは多いはずだ。感じの良い社員は、そうした混乱を最小限に抑えることで、無意識のうちに、自身の貢献を他のメンバーに認めてもらうために必要なシグナルの発信も抑えている可能性がある。
問題は、「協調性」が不当に低い評価を受けるということではない。問題は、それがしばしば注目されにくい、ということなのだ。
「目立たない貢献」の可視性を高める方法
この問題への解決策は、「いい人」をやめて気難しくなる、というものではない。チームにはやはり、効率の良いコラボレーションを促し、不必要な摩擦を減らしてくれる人が必要だからだ。しかし、「いい人」は、もう一つの資質を身につける必要がある。それは、「明確さ」という資質だ。
これは、シンプルな方法で身につけることができる。自分の貢献を、より明確に示せばいいのだ。仕事の内容を、結果とリンクさせよう。自分が何かを犠牲にする必要が生じた時には、黙って新たなやり方に合わせるのではなく、きちんと声を上げよう。こうした振る舞いは、摩擦は生まないが、「可視性」を生んでくれる。
これはまた、限界を示すのにも役立つ。要求がエスカレートするのなら、時には「ノー」と言ったり、何を優先すべきかを尋ねたりするといいだろう。こうした反応を示すことで、今まで注目されていなかった「水面下の仕事量」を見てもらうことができる。他のメンバーに協力するにしても、それが意思をもった選択であり、デフォルトでそうすると決まっているわけでないことを、はっきりと見せられるだろう。
リーダーは、チームの中で「協調性」がどう解釈されるかを決める存在だ。スムーズな業務遂行が、誰かのおかげではなく、当たり前のもののように扱われているとしたら、そのために努力している者は、今後も見過ごされるままだろう。実際には、よく目立つ決断の領域だけでなく、そうした決断を可能にした背後の業務までを、リーダーは目に留めている必要がある。
そのためには、リーダーは注意を払わなければならない。具体的には、以下のような問いを投げかけてみよう。問題が起きてから反応するのではなく、そもそも問題が起きないようにしているのは誰か? 他のメンバーが、より高いレベルの成績を上げられているのは誰のおかげか? 状況が変化し続けるなかで、一貫性を維持しているのは誰か?
大半のチームでは、「最も摩擦を生まないメンバー」がしばしば、チームのまとまりに最も貢献している。こうした状況でのリスクは、彼らの貢献の多寡ではなく、あまりにも見過ごされやすいことなのだ。


