リーダーシップ

2026.05.12 13:00

協調性の高い人の「昇進が遅れる」理由、キャリアアップのための改善方法

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「人当たりの良さ」が昇進の足かせになる場合

ある人物を昇進させるかどうかという決断は、目に見える成果と同様に、その人が与える印象にも左右される。リーダーとしてチームを率いているように見えるのは誰か? チームの方向性に影響を与えるのは誰か? 重要な決断に関わるのは誰か? といったことだ。

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協調性の高い従業員は、今挙げたようなプロセスにおいて、サポート側に回ることが多く、中心的な役割を果たしているという印象を持たれにくい。彼らは、業務を成し遂げる他のメンバーを支え、優先事項が変化した時にはこれに対応する。しかし、「この仕事は自分のものだ」と自己主張したり、決まった方針に異を唱えたりすることはまれだ。そのため、結果を引き出す力を持っていない、と見られる可能性がある。

ここで、「シグナルを出すこと」が重要になってくる。ほとんどの組織において、社員の価値の評価は、単にその人が手がける仕事だけでなく、そうした貢献がどれだけ「見える」ものであるか、ということも関わってくる。

職場で積極的に発言し、議論をまとめる中心となり、目立つ決断をする者は、より大きなインパクトをもたらす人物として認められがちだ。たとえ、実際にやっている仕事が同等であったとしてもだ。

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どれだけ協調性が高くても、仕事に関して「目に見えるアピール」を遠慮してしまうようだと、実際の貢献と、周囲からの認識のあいだにギャップが生まれるおそれがある。

「一緒に仕事がしやすい同僚」と思われすぎることのリスク

さらに、より実際的な部分での社内力学もある。ある社員が、別の社員の要望に常に応えていると、人に関する調整で問題が起きた時に、「その人に頼ること」がデフォルトの対策になってしまう。そうなると、頼られる人は、余計なタスクを引き受けさせられ、土壇場での変化を受け入れるよう頼まれ、さらには「嫌がらなさそうな人だから」という理由で、スケジュールの調整を迫られるようになる。

時が経つとともに、こうした人の業務が知らず知らずのあいだに拡大し、なおかつこの業務に対する印象は変わらない、という状況に陥りがちだ。そうなるとこの人は、チームを円滑に機能させるという意味では中心的な役割を担っているものの、チームへの影響力やリーダーシップという面では、どんどん「見えない存在」になっていく。

ここからパラドックスが生まれる。つまり、こうした職場での「いい人」は、実際には「替えのきかない人」になっているのに、昇進しにくくなってしまうのだ。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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