宇宙

2026.05.10 09:00

軌道上でロシアの「核攻撃リスク」急増、宇宙防衛急ぐ西側 トランプのゴールデンドームは切り札になるか?

地球周回軌道上で人工衛星を攻撃する核武装した衛星のイメージ図(stock.adobe.com)

ロシアは米宇宙企業スペースXのスターリンク衛星群も標的にしている可能性が高いとサムソンは言う。なぜならスターリンクは、ミサイル攻撃にさらされているウクライナの市民や、同国の民主主義の象徴と化したウォロディミル・ゼレンスキー大統領に、ネット接続を提供し続けているからだ。すでにロシアはスペースXの創業者イーロン・マスクへの脅迫を絶えず浴びせる一方、戦闘機やミサイル部隊を展開してウクライナ全土のスターリンク端末を破壊しようとしている。

advertisement

スターリンク衛星群の近くで1発の核兵器が爆発しただけで、数千基のスペースXの衛星が破壊されかねない。

ロシアが終末的な核爆弾を軌道に配備すれば極めて深刻な脅威となるため、ホワイトハウスは打ち上げを許してその後に宇宙空間を高速移動する兵器の破壊を試みるようなリスクを冒すべきではない、とサムソンは訴える。

「もし米国が、核を搭載した衛星の打ち上げに関する確固たる情報を得ているなら、打ち上げの前、せめて発射台を離れる前に阻止する必要があるかもしれない」とサムソンは主張。「米国がやったと判明すれば事態がエスカレートしかねない」が、「(打ち上げを)待つことで破壊した衛星のデブリを軌道上にばらまく結果を招くか、衛星を撃墜し損ねたり危険を軽減できなかったりするリスクを冒すほうがいいかを天秤にかけると、もし確かな情報があるならば、打ち上げ前の段階で対処するのが賢明な選択になり得る」と述べた。

advertisement

サムソンは、特別な訓練を受けた米特殊部隊のチームなら、ロシアの核ASATが発射される前に迅速に破壊し、ロシア当局の介入前に現場から脱出できるとみている。

米陸軍の特殊部隊デルタフォースの精鋭が厳重な警備を突破してベネズエラ首都の要塞化された拠点にヘリコプターで突入し、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束した驚異的な作戦をサムソンは例に挙げ、実行者の痕跡を一切残さない「特殊部隊による攻撃を推奨する」と語った。

米特殊部隊には、核ASATを配備するロシアの発射基地を急襲する作戦の訓練をすでに開始している兆候がある。

米議会調査局(CRS)は、ロシアが極秘裏に進めていた核宇宙機プロジェクトの発覚後に発表した米国内の特殊部隊7万人の訓練に関する報告書の中で、「大量破壊兵器の拡散防止」を含む9つの「中核活動」をめぐる訓練が行われていると説明している。

これによると、米特殊作戦軍(USSOCOM)の中核活動には「国家および非国家主体による大量破壊兵器(WMD)と関連する専門知識・材料・技術・運搬手段の構想、開発、保有、拡散、使用、および影響を抑制するための米国政府の取り組みを支援する」ことや、「特殊な軍事能力を駆使した短期間の攻撃やその他の小規模な攻撃行動により、指定された標的を制圧、破壊、拘束、利用、回収、または損壊する」ことが含まれている。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事