4.欧米をまたいで行われるサステナブルな取り組み
「木を伐採することは、森林破壊を助長していると誤解されることがあります」と語るのはアナさん。
だが、ザ・マッカランの樽に使われるオーク材は闇雲に伐採されているわけではない。アメリカとヨーロッパ、それぞれの行政機関などと連携し、どの木を伐採すると森林保全につながるのかを確認し、毎年決められた数だけしか伐採が許可されないように綿密に計画されているのだ。
アナさんはこの手法を『選択的な剪定(Selective Felling)』と呼ぶ。
「木々が茂りすぎた森は地面まで光が届かず、若い木々が育つことができません。適切に木を伐採することは、若い木が育つためのスペース、日光、栄養を作り出し、森林の維持に繋がるのです」(アナさん)
また樹齢70〜80年の木材を使うこともサステナブルにつながっている。
オークがどんぐりの実をつけ始めるまでには、早くても20年、遅ければ50年かかると言われている。やっと実をつけ始めた樹木を伐採することは、森の循環を阻害する。一方で樹齢80年を超えると、どんぐりは緩やかな減少傾向に入るとも言われているからだ。
ちなみに、シーズニングに使われたシェリー酒も“第二の人生”として「ベルモット・オリヘン(写真右)」という商品に生まれ変わる。これがまた美味! だが、現在は日本未発売……残念!
5.「どんぐりからグラスまで」比類なき時間が生み出す味わい
ここまで樽にまつわるロマンをお伝えしてきた。木材の乾燥に1年、樽づくりに4〜5年、そしてシーズニングに約2年。ザ・マッカランでは、樽を作り上げるまでに計7〜8年もの年月をかけている。
ウイスキーの味わいの約80%が樽由来だからこそ、樽にこだわり抜く。それがザ・マッカランの唯一無二の味わいを作り出す。
次回はいよいよウイスキーづくりが行われている蒸溜所「ザ・マッカラン エステート」の最新技術と伝統製法の融合にまつわるロマンをお届けする。
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